...なんて他愛のないことをしたものだろう...
ギィ・ドゥ・モオパッサン Guy de Maupassant 秋田滋訳 「狂人日記」
...何の苦もなき他愛のない悪戯(いたずら)にすぎないのであろう...
海野十三 「地球要塞」
...子供のように他愛のない笑いを車内の片隅の暗闇の中で笑っている自分を発見したのであった...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...世帯をもつ前後の他愛のない気分や...
徳田秋声 「のらもの」
...他愛のない離別の雰囲気が二人を何時までも苦しめるばかりであつた...
林芙美子 「朝夕」
...まるで十七八の小娘のやうに他愛のない女心になつてゐるのが久江には口惜しかつた...
林芙美子 「夜福」
...まったく他愛のないようなことなんだ……兄が乗り捨てたプリムスが豊橋のガレージにある...
久生十蘭 「肌色の月」
...その光はそれと相対の位置に据付けてある幻燈(フロ)の種板(たねいた)とレンズを透して反対側の壁に像を結ぶという他愛のない仕掛なのであります...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...松山君の言葉には抑揚がないなぞと他愛のない事を思ひながら他愛なくなる...
二葉亭四迷 「旅日記」
...滑稽(とぼけ)た面(かお)をして他愛のない事ばかりして遊んでいる...
二葉亭四迷 「平凡」
...そんな他愛のない考も繰り返し繰り返していたのだった...
堀辰雄 「姨捨」
...柳寿斎爺さんに教わった刀の銘を聞きにいく「波平行安(なみのひらゆきやす)」っておよそ他愛のない小噺をたったひとつ今松は知っているっきりだった...
正岡容 「寄席」
...呼び悪(にく)いからヒギンスと名乗って貰いたい」そのような他愛のない条件なら...
松本泰 「日蔭の街」
...他愛のない言葉の...
山川方夫 「愛のごとく」
...他愛のない自慢にしていたものですが...
山本周五郎 「新潮記」
...どこへでもいってしまいますからね」あまり他愛のない男の甘さを見て...
吉川英治 「江戸三国志」
...他愛のない榮華でもあつたのであります...
吉川英治 「折々の記」
...そういう他愛のないことで年が寄るのさえも気づかないでいる...
和辻哲郎 「孔子」
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