...御苦労さまだがね……」お角さんは存外他念なく...
中里介山 「大菩薩峠」
...他念なく登ってくだるまでのものでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...栗鼠を見詰めて他念なく...
南方熊楠 「十二支考」
...戦のほかに他念なく...
吉川英治 「上杉謙信」
...他念なかったということである...
吉川英治 「梅ちらほら」
...何か密話に他念がなかったが...
吉川英治 「江戸三国志」
...調書の整理や探究に他念がない...
吉川英治 「大岡越前」
...丸の内何號街といふビル街の地下室で、道路面からわづかにさす明りで、他念なく、篆刻に耽つてゐる騷音裡の靜人の姿をふと見たことがある...
吉川英治 「折々の記」
...恋の陶酔に他念のなかった新九郎と千浪が...
吉川英治 「剣難女難」
...飾師(かざりし)などが手入れ仕事に他念もない...
吉川英治 「私本太平記」
...自分も何か他念なく筆をもっていたところだったが...
吉川英治 「私本太平記」
...子ども相手に他念ない姿を見ては...
吉川英治 「新書太閤記」
...青空の下に他念なく...
吉川英治 「新書太閤記」
...「……おっ母(か)あ」彼の声は、土間の一隅に糸車をすえて、他念なく、糸を紡(つむ)いでいた老母の耳を怪しませた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...べつな試作に他念なくとりかかっていた...
吉川英治 「人間山水図巻」
...「他念なく、薬きざみをしておりますと、思索がまとまって、日ごろ書物のうえで、疑念をいだいていたことも、書物から離れきったこんなあいだに、ふと、ははあ……そうだったのかと、ひとりでに解(と)けて来たりなどいたします...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...写経と読経のほか他念もない彼と成る...
吉川英治 「源頼朝」
...そういってまた他念なく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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