...他念がないらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...たかゞスケート位ひ!)――(叱ツ、他念なく/\、脚の踏み所、力の入れ具合、細かく呼吸して……)純吉は、それらの言葉でわれと自らを励ませながら、注意深く壁に添うて一歩一歩静かに、靴を挙げては降ろした...
牧野信一 「明るく・暗く」
...それがいかにも安らかで他念なさそうだった...
室生犀星 「後の日の童子」
...まるで帰らぬ子を門辺(かどべ)に出て待っている母のように他念なかった...
吉川英治 「上杉謙信」
...次の戦いに対する構想に他念ないかのような含みすら窺(うかが)われる...
吉川英治 「上杉謙信」
...他念なかったということである...
吉川英治 「梅ちらほら」
...何か密話に他念がなかったが...
吉川英治 「江戸三国志」
...調書の整理や探究に他念がない...
吉川英治 「大岡越前」
...陣法の工夫(くふう)に他念(たねん)がなかった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...他念なく舞い出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...御他念もございませぬな」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...軍議に他念ないことまでを――正林は...
吉川英治 「新書太閤記」
...知事の時文彬(じぶんぴん)が他念なく時務の書類に目を通していた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「……おっ母(か)あ」彼の声は、土間の一隅に糸車をすえて、他念なく、糸を紡(つむ)いでいた老母の耳を怪しませた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そこらの写生に他念もなかった...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...各の仕事に他念がない...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...土に他念のない老僧の三昧ぶりに憚(はばか)られて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...他念のない容子(ようす)である...
吉川英治 「宮本武蔵」
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