...京都の街も古都というのはもう名ばかりで私の幼な頃と今とではまるで他処の国のように変ってしまってます...
上村松園 「京の夏景色」
...他処へ往って宿(とま)るようなことがあると...
田中貢太郎 「薬指の曲り」
...東北の冷害という「自然現象」に対する渦巻く同情の嵐を他処にして...
戸坂潤 「社会時評」
...ただ大抵のサンプルは実物よりも良くて他処行きに出来ているものであるが...
戸坂潤 「読書法」
...一晩他処に泊って来ることもあったそうだ...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...如何にも他処行きの聞き馴れない響きを帯びている...
豊島与志雄 「失策記」
...「他処」をながめていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は話しながら心を他処(よそ)にしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自炊でも他処から取るのでも...
豊島与志雄 「変な男」
...自炊をするか他処(よそ)で食べるかしなければならないし...
豊島与志雄 「変な男」
...「みんな他処へ行ってしまって...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...わたくしはこれらの渡船の中で今戸の渡しを他処(たしょ)のものより最も興味深く思返さねばならない...
永井荷風 「水のながれ」
...持たれるは嫌なり他処(よそ)ながらは慕はしし...
樋口一葉 「にごりえ」
...エイモニエーの『安南記』にはオラングライー族の村に虎入りて人なり犬なり豕なり一頭でも捉わるると直ぐ村を他処へ移すと見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...そこの学校を出て私が他処の学校へ通う様になってもM子の引けの後(おそ)い日にはわざわざまわって行って一緒に帰った...
宮本百合子 「M子」
...今まで親しみの無かった他処(よそ)の人たちと...
柳田国男 「木綿以前の事」
...他処(よそ)ではもうその話は通用せぬわけである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...他処行(よそゆ)きの着物を着たり...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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