...彼は未荘(みそう)に住んだことが多いがときどき他処(たしょ)へ住むこともある...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...盲人他処より入れば必祟(たゝり)あり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...その中から他処から来た手紙や雑多な書類を取り出して調べてみたが...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...他処(よそ)往きの布子(ぬのこ)に着更え...
田中貢太郎 「地獄の使」
...他処から借りて来なければならぬとすれば...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...他処他処しい友達甲斐のない質問であるが...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...他処へやるのもどうかと思う...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...如何にも他処行きの聞き馴れない響きを帯びている...
豊島与志雄 「失策記」
...「他処」をながめていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自炊をするか他処(よそ)で食べるかしなければならないし...
豊島与志雄 「変な男」
...「みんな他処へ行ってしまって...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...わたくしはこれらの渡船の中で今戸の渡しを他処(たしょ)のものより最も興味深く思返さねばならない...
永井荷風 「水のながれ」
...船に載せて他処へ運んで了うに至っては...
中島敦 「光と風と夢」
...小川町(をがはまち)のお店(みせ)をお廃(や)めなされたといふ噂(うわさ)は他処(よそ)ながら聞いてもゐましたれど...
樋口一葉 「十三夜」
...エイモニエーの『安南記』にはオラングライー族の村に虎入りて人なり犬なり豕なり一頭でも捉わるると直ぐ村を他処へ移すと見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...彼女は何処かへ外出するらしい他処着(よそぎ)をして出かかるのと...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...これまでなんの縁も親しみもなかった他処(よそ)のお社に...
柳田国男 「母の手毬歌」
...とにかくかつて他処からきた実在の異人であった...
柳田国男 「山の人生」
便利!手書き漢字入力検索