...翌朝(よくあさ)はまた他事(ほかのこと)に心移(こゝろうつ)りて...
饗庭篁村 「隅田の春」
...倭文子は当人と度々(たびたび)会いながらも、他事にまぎれて、今の今までそのことを忘れ果てていたのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...猶雪の奇談(きだん)他事(たじ)の珎説(ちんせつ)こゝに漏(もら)したるも最(いと)多(おほ)ければ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...仍つて御信仰の外他事無しと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...この某事物に一定に関係する他事物として...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...そこに取り扱われるものは事物ではなくて事物の――主として他事物に対する――意味である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...暫く他事の煩いなく専心勉強が出来て而も安価に滞在出来る所はあるまいかと虫のいいことを兄に相談すると...
豊島与志雄 「田園の幻」
...今に始まったことでない弁信さんの取越し苦労――それを他事(よそごと)に聞いていたのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...「しかし他事(ひとごと)じゃないね君...
夏目漱石 「道草」
...他事にましハるへからす...
穂積陳重 「法窓夜話」
...されば他事はともあれ...
南方熊楠 「十二支考」
...解任其ノ他事件落着ノ際之ヲ受ク...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...我等この度仰(おおせ)を受けたるは茶事に御用に立つべき珍らしき品を求むる外(ほか)他事なし...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...貴方(あなた)をこの部屋にお伴いたしました目的と申しますのは他事(ほか)でも御座いませぬ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...今まで他事(よそごと)に聞き流していた玄蕃だった...
吉川英治 「剣難女難」
...他事(よそごと)のみ申し上げたが...
吉川英治 「剣の四君子」
...同じ酒壺(しゅこ)の酒を孔明も共に飲んで他事なく話しかけるので...
吉川英治 「三国志」
...はや他事もない宵らしい...
吉川英治 「新書太閤記」
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