...銀子は仕込みをつかって...
徳田秋声 「縮図」
...分寿々廼家(わけすずのや)というその芸者屋では、銀子より一足先に来た横浜ものの小寿々(こすず)という妓(こ)のほかに、仕込みが一人、ほかに内箱の婆(ばあ)やが一人いて、台所から抱えの取締り一切を委(ゆだ)ねられていたが、もと台湾の巡査に片附いて、長く台北で暮らし、良人(おっと)が死んでから二人の子供をつれて、郷里へ帰り、子供を育てるために寿々廼家で働いているのだったが、飯も炊(た)けば芸者の見張りもし、箱をもってお座敷へも上がって行き、そのたびに銀子が気を利かし二円、三円、時には五円も祝儀(しゅうぎ)をくれるのだったが、その当座はぺこぺこしていても鼻薬が利かなくなると、お世辞気のない新妓(しんこ)の銀子に辛(つら)く当たり、仮借(かしゃく)しなかった...
徳田秋声 「縮図」
...お神や仕込みの歓心を買うために...
徳田秋声 「縮図」
...あの子の姉さんが十五で余所(よそ)へ仕込みに住みこんでるさうだから...
徳田秋声 「チビの魂」
...流るるごとき長州弁に英国仕込みの論理法もて滔々(とうとう)と言いまくられ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...仕込み杖の横行した時代であったが故に...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...三文にでもなりゃあ、得というもんだ」「本当に、桃林って知っていなさるのかい」「一寸、馴染がある――何うでえ、庄公、一つ、富士春仕込みの、怪しげ節でも、助(す)けにやらんけ...
直木三十五 「南国太平記」
...さすがに銭形の兄哥の仕込みで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼は機知を仕込み...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...仕込みの娘(こ)が...
火野葦平 「花と龍」
...みじまひについての私のローウッド仕込みの考へでは...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「つまりその仕込みゃどうにかなる人だとおもったんだ...
正岡容 「小説 圓朝」
...「糊の仕込みで日本一になれば...
山本周五郎 「さぶ」
...仕込みから煮炊きからお店のことまで...
山本周五郎 「さぶ」
...本場仕込みの芸ではないが生来の美音で声量たっぷり...
山本笑月 「明治世相百話」
...節も大阪の本場仕込みで確かなもの...
山本笑月 「明治世相百話」
...本当の仕込みは伯父さん(芝猿丈(しえんじょう))と築地(つきじ)のお師匠さん(藤田勘十郎氏)のお蔭なのですが...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...本場仕込みなのでハヤミは腹痛を起したのだ...
吉行エイスケ 「飛行機から墜ちるまで」
便利!手書き漢字入力検索