...料理の仕出しと言ってもそうあるようには見えないし...
岩野泡鳴 「耽溺」
...越前屋(えちぜんや)という仕出し屋の若い主人は印の入った襟のかかった厚子(あつし)の鯉口(こいぐち)を着て三尺を下の方で前結びにしたままのっそりと入って来た...
近松秋江 「霜凍る宵」
...其の写実的半面は狂言の本筋に関係のない仕出しの台詞(せりふ)や...
永井荷風 「虫干」
...仕出し弁当で鎧櫃(よろいびつ)の傍に頑張っていながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...岩松の兄弟はとんだ仕出しさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仕出しの老婆(おばあさん)が...
長谷川時雨 「夏の女」
...筆屋の仕出し物で用を弁じておったこと...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...急いで仕出し屋へ走れのと...
二葉亭四迷 「平凡」
...所詮は仕出しにやゝ優る役を振られるくらゐのことであつたらうが...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...おきえさんの着いた夜は出入りの仕出し屋から料理をとり寄せて内輪な会食ですませた...
矢田津世子 「父」
...10=茶店仕出しが二人三人口々に「喧嘩だ」と叫んで走って行く...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...T「宮本武蔵を呼んで来いッ!」仕出しが若干立ち止る...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...「どこかから仕出しでも取るんですか」半三郎は首を左右に振った...
山本周五郎 「あだこ」
...あたしは酒屋と仕出し屋へいって来ました」酒が来...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...そのうえ近所の仕出し屋から酒肴(さけさかな)を取って...
山本周五郎 「寒橋」
...さっき来た仕出し屋の者が持ち去ったのであろう...
山本周五郎 「花も刀も」
...その釜屋艾のすじ向い――弁当仕出し屋の政右衛門の店口だった...
吉川英治 「脚」
...久世様お留守居屋敷、上弁七十人浜町様、仕出し、椀だね十七人清風亭へ、月ざらい弁当百二十人彦太は毎日、そんな文字を帳面へなすりつけていた...
吉川英治 「脚」
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