...今迄はうかと経過した些事にも...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...今迄は風の子もなかつたが...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...今迄は、一も二もなく片づいた事が、さうなると非常に六(むず)かしくなつて来ました...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...今迄は婚期に後(おく)れているからと云って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今迄は自分も本家と同じ意見で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今迄は稽古場の関係で諦(あきら)めていた悦子までが習いたいと云い出したので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それに今迄は、奥畑家にもお母さんや兄さんと云うものがあって監督の眼が光っていたからよいけれども、勘当された啓坊は、小さいながらも一軒の家を構えて自由に振舞えるようになっただけに始末が悪い...
谷崎潤一郎 「細雪」
...又今迄はそれで済んでいたのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...かゞり火の炎が強かったので今迄は分らなかったが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...今迄は……だけど...
富田常雄 「刺青」
...今迄はただ、室の掃除や図書の整頓だけをしていたが、今後は、ほんとの事務員として働きたい...
豊島与志雄 「波多野邸」
...さうして段々噺を聞いて見ると今迄は新聞のいふことばかり信じて居たから北村四海ばかりをいゝ者と思つて居たが大分違ふものである...
長塚節 「記憶のまゝ」
...今迄は、雪の結晶は、先ず上空で中心部が出来て、それが落下して来る途中で、つぎつぎと外側に新しい結晶の枝がついて出来上ると簡単に考えていたのであるが、どうも自然の機構はもっと複雑なようである...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...今迄は御自分のお考えは何時も正しい...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...今迄は否応なくそこに居たんだけれど...
牧野信一 「好色夢」
...今迄は氣が付かなかつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...今迄はこんな気のゆるんだくたびれかたの出来ない程度にしか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私は今迄は動きたくても駄目だったから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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