...師匠と今生(こんじやう)の別をつげると云ふ事は...
芥川龍之介 「枯野抄」
...「こんなことを申しますと、貴客様は御不審におもわれましょうが、私の主人が長年の煩(わずら)いでございまして、主人と申しますのは、某(さる)藩中でも人に知られた武士でございましたが、得体の知れない病になり、禄を辞退して此の森陰に隠れてから、彼れ是れ二十年にもなります、今はもう痩せ衰えて、明日も判らない御体でございますが、折好く貴客様が此処を御通りになることを聞いて、今生の思出に、舞の一手を御願い申したいと、私奴に云いつけて、貴客様の御出ましになるのを伺っておりました...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...万一この人間が今生き返ることが出来たとしたら...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...今生けるものゝ総(すべ)てが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...今生の怨みはこのことだ...
中里介山 「法然行伝」
...ファラデーが今生きていたら界面現象の研究に着手するだろうという人もあるくらいです」といったら...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...こんな場所に彼が今生きていることは...
原民喜 「美しき死の岸に」
...いざ父娘今生のご対面なさるべく速やかにここを落ちのびよ...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...今生きて居る人にも眼から鼻へ抜けるほどの利口者といはれて居るのが二...
正岡子規 「墨汁一滴」
...死せるものは今生きているもののように生長することもなければ老衰することもない...
三木清 「人生論ノート」
...今生において捉え得る機会に恵まれるかもしれない...
柳田国男 「海上の道」
...今から思いますとこの時こそ夫の姿の今生(こんじょう)の見納めでございました...
夢野久作 「暗黒公使」
...今生(こんじょう)の別れを...
吉川英治 「大岡越前」
...――次へ次へ今生(こんじょう)の限り敵にまみえよ...
吉川英治 「新書太閤記」
...……では」今生(こんじょう)これきりの一礼をのこして...
吉川英治 「新書太閤記」
...今生(こんじょう)のわかれだぞよ』『はい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...今生(こんじょう)の長い道へ歩んでいるものか――そんなことすら思ってもみなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...これに反して「もし今生(しょう)を捨てて仏道に入りたらば...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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