...今度こそ、彦田博士の新発明の爆発防止塗料が、いかにすばらしい力をもっているかを証明する大がかりな実験日ですよ」「そうね、とにかく、もうすぐ午後九時がくる...
海野十三 「爆薬の花籠」
...今度こそあの怪指紋の主を捉えないでは...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...今度こそはここに落ちついていられるのかしら? もう汽車を掴まえて旅に出なくてもいいのかしら?――しきりにそんな気がしている...
谷譲次 「踊る地平線」
...鳥羽は今度こそ幾の世話になる筈だつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...今度こそはいよ/\もと/\通りではない...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...今度こそは――暖かいから...
直木三十五 「大阪を歩く」
...今度こそ逃がさぬぞ...
永井隆 「この子を残して」
...今度こそ捕えた...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...今度こそ決心したの……」そういって蓮子は...
林芙美子 「泣虫小僧」
...今度こそ田舎者の土性骨の太さをつくづくと拝ましてやる...
久生十蘭 「魔都」
...今度といふ今度こそは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...今度こそは俺も一緒に新町の方へ移らう...
牧野信一 「熱い風」
...滝本は今度こそは真面目になつて...
牧野信一 「南風譜」
...今度こそ決心を固めた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...元――元をただせば、わしの助けがあったればこそ、傾いた広海屋が、松浦屋を破滅させて、独り栄えることが出来たのだ――それは、浜川さん、あなたがよく知っているはずではないか――さ、はなして下さい、遣(や)って下さい」「わかっている――貴公のいうことはわかっている」と、以前に長崎代官をつとめて、これも暴富を積み、お役御免を願って、閑職につき、裕福に暮している旗本、三郎兵衛の前に、立ちふさがって、「だが、商人の戦いは、そう荒立ってもどうもならぬ――口惜しかったら、やはり、商いの道で、打ちひしいでやるがいい――ま、下に――」「何とおっしゃる! 浜川さん! じゃあ、そなたも、あッち側なのだね! 広海屋の仲間になってしまっているのだね!」と、長崎屋、歯を噛んで、浜川旗本を睨みつめ、「商人は、商いで戦えと! それを、こうまで、ふみにじられた、わしに言うのか! わしにどこに、商いで戦える力が残っている? 十何年の月日をかけて、一生懸命働いて来た黄金という黄金、江戸に見世を移すに使った上、短い一生、出来得るだけ富をふやそうと、さまざまな方角へ資本を下ろし、その上、今度こそ、最後の決戦と、手を出した米商(あきな)いに――伸(の)るか反(そ)るかの大事な場合と、知り抜いた広海屋にハメられたのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...見てゐる仏軍の将士は今度こそと一斉に手をたゝいて悦んだ...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...しかも今度こそは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...申分(もうしぶん)ないと思っていただけなのだ」今度こそは最早(もはや)...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
便利!手書き漢字入力検索