...人々は振返って自然から今切り取ったばかりのようなこの男を見送った...
有島武郎 「カインの末裔」
...車掌は今切つた乘換切符を口に啣へて...
石川啄木 「我が最近の興味」
...それを今切りとったボール紙の五本の指にはめていった...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...あるいは今切に望んでいる米国行きを実行さすか...
大杉栄 「獄中消息」
...今切離されたばかりの生々しい傷口を持つた切株は一つ/\...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...これより先遠州の今切(いまぎれ)でも...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...とにかく今切符を買うと云う間際(まぎわ)で...
夏目漱石 「坑夫」
...今切られたばかりの殿の髷(まげ)も見えない」「?」「殿には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女が今でも一番恋しい景色は遠州御前崎の今切(いまぎ)れの渡しのところと味方が原だという...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...又今切角お久美さんの心の前に美くしく現われて居る蜃気楼を自分の一言で打ち崩す事も出来なかった...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...今まで私の眼の前を遮っていた疑問の黒幕がタッタ今切って落されたのだ...
夢野久作 「暗黒公使」
...今切(いまぎり)藤五と羽鳥八郎太だった...
吉川英治 「私本太平記」
...――今切、羽鳥の二人へそそぐ彼の眼が、ゆうべから針のごとき警戒心と、軽蔑にみちていたのはいうまでもない...
吉川英治 「私本太平記」
...今切藤五が、馬をすすめたが、覚一は、連れになった旅の女性(にょしょう)と話が出来なくなるのを惜しんで、「それほどな坂でもなし、歩きましょう...
吉川英治 「私本太平記」
...――茶屋の軒ばの、御厨ノ伝次も、羽鳥、今切の二人も、まだ何ら気づいてはいない様子だった...
吉川英治 「私本太平記」
...だから今切藤五も考えた...
吉川英治 「私本太平記」
...物蔭にいた今切藤五も狼狽はしたが...
吉川英治 「私本太平記」
...あれこそ今切藤五であったに違いなかったものをと...
吉川英治 「私本太平記」
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