...人々は振返って自然から今切り取ったばかりのようなこの男を見送った...
有島武郎 「カインの末裔」
...車掌は今切つた乘換切符を口に啣へて...
石川啄木 「我が最近の興味」
...あるいは今切に望んでいる米国行きを実行さすか...
大杉栄 「獄中消息」
...今切離されたばかりの生々しい傷口を持つた切株は一つ/\...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...今切り抜けて来た波瀾(はらん)の結果はすでに彼女の気分に働らきかけていた...
夏目漱石 「明暗」
...今切れてしまつた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...今切られたばかりの殿の髷(まげ)も見えない」「?」「殿には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女が今でも一番恋しい景色は遠州御前崎の今切(いまぎ)れの渡しのところと味方が原だという...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...遠州今切の渡し昔は山続きの陸地なりしが百余年ばかり前に山中より螺貝(ほらがい)夥しく抜け出で海へ躍(と)び入り...
南方熊楠 「十二支考」
...僕が今切実に君に教へる事がある...
村山槐多 「殺人行者」
...今まで私の眼の前を遮っていた疑問の黒幕がタッタ今切って落されたのだ...
夢野久作 「暗黒公使」
...今切(いまぎり)藤五と羽鳥八郎太だった...
吉川英治 「私本太平記」
...今切藤五が、馬をすすめたが、覚一は、連れになった旅の女性(にょしょう)と話が出来なくなるのを惜しんで、「それほどな坂でもなし、歩きましょう...
吉川英治 「私本太平記」
...――茶屋の軒ばの、御厨ノ伝次も、羽鳥、今切の二人も、まだ何ら気づいてはいない様子だった...
吉川英治 「私本太平記」
...歩き出すとすぐ今切藤五は...
吉川英治 「私本太平記」
...今切藤五はどこにいるんだ」八郎太と伝次の二人は...
吉川英治 「私本太平記」
...物蔭にいた今切藤五も狼狽はしたが...
吉川英治 「私本太平記」
...あれこそ今切藤五であったに違いなかったものをと...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??