...今以て私には描けぬ所がございまする...
芥川龍之介 「地獄變」
...家庭の祕事として私は重ねて問はず今以て...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...ゼムリヤ号の正体は今以て不明だったろう...
海野十三 「地球発狂事件」
...どう云うものか今以て一日のうちに熱の差し退きが何回となくある...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その浅黒い皮膚の色には今以て魅惑を感じながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...今以て七転八倒の笑止な歴史を繰り返えして居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...これもその時が初まりで今以て時々少しく足を無理に捻るとほぼ二...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その盗賊の詮議(せんぎ)も今以て埒(らち)が明かず...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれだけは今以て...
中里介山 「大菩薩峠」
...今以て音沙汰がない...
中里介山 「大菩薩峠」
...なにしろ千年以上の作というにかかわらず、朱の色が、昨日硯(けん)を発したばかりの色なんです、今時の代用安絵具とは違います、絵かきが垂涎(すいえん)しておりますよ、こんな朱が欲しいものだ、ドコカラ来た、舶来? 国産? いかなる費用と労力をかけても、それを取寄せてつかってみたいとの心願を致しますけれど、あんな朱はドコで求めることもできません、科学者は研究をはじめましたが、今以て、その原料が何物であるかわからんそうです、動物質か、植物質かさえもわからないのだというのですから――つまり、千年の昔に悠々として使いこなした顔料を、千年後の今日の科学で解釈がつかないというんですから、現代の科学も底の知れたものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...今以て殺害された者の身許もわかりません...
野村胡堂 「古城の真昼」
...彼等の宣言式でない方面の熱情には今以て僕は甚大の敬意を払つてゐるつもりだ...
牧野信一 「貧しき文学的経験(文壇へ出るまで)」
...今以て内藤君の話を裏書きする証拠をつかめずにいるのである...
柳田国男 「故郷七十年」
...その代銭を払うのを怠ったために今以て百舌は蛙その他の虫類を取って来て...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...今以てヨハンの気がかりであるとみえます...
吉川英治 「江戸三国志」
...譜代の宿老たちとか、織田家の上将のあいだでは、今以て、「猿」という陰口が行われ、評判はあまりよくないというよりも、むしろ事(こと)ごとに悪いらしい...
吉川英治 「黒田如水」
...今以て解らないものはない...
吉川英治 「茶漬三略」
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