...年中日の目を見ぬ仄暗い坂を下(お)り尽すと...
石川啄木 「鳥影」
...仄暗い薬の香の中に浮んで...
石川啄木 「病院の窓」
...彼は被害者の姿までも見えなくしおった!」アンガスは木偶の坊の立並んだ仄暗い室内を見まわした...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...そして仄暗い裏通りを首垂れながら歩いている自分の孤影を見出しては...
豊島与志雄 「運命のままに」
...仄暗い影が胸に立ちこめてきた...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...」彼はじっと仄暗い片隅を見つめたまま...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...仄暗い夢と輝かしい幻とが入れ代る気配である...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...青い流に沿ひながら進んでゆけば仄暗い波も恥ぢ入るけはひです...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...三日月細つそりした顔も姿も象牙でできてゐる人物が仄暗い廊下を横ぎり...
原民喜 「ある時刻」
...冷やかな水と仄暗い空があった...
原民喜 「死のなかの風景」
...仄暗い廊下のやうなところははてしなくつづいた...
原民喜 「鎮魂歌」
...僕の細長い影は力なく仄暗い風のなかにある...
原民喜 「魔のひととき」
...ガラスの破片などの散乱している仄暗い地下室に似た処を横切ると...
原民喜 「夢と人生」
...五十畳敷ほどもあろうかと思われる仄暗い石室の三方の壁の書棚に...
久生十蘭 「新西遊記」
...唐突に羊歯や木賊(とくさ)が参々(しんしん)と密生した仄暗い沼沢の中へ押出された...
久生十蘭 「地底獣国」
...辻が倒れ込んだ駅の仄暗い閑散な風景を思ひ出すと...
北條民雄 「道化芝居」
...仄暗い格天井へ、二間に配られてある燭台の明りが、静かな明りの暈(かさ)を投げている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...まだ仄暗いので、次の間にも禅尼のそばにも、結び燈台が灯(とも)っていた...
吉川英治 「源頼朝」
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