...求馬はその頃から人知れず...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...何時か式部が兼房の朝臣に送つたと云ふ人知れず物思ふ事は習ひにき花に別れぬ春しなければ其の歌の心も今こそ赤染衞門に沁々と頷かれる心地がして...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...人知れず彼女を尾行し...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...私は五六度もそこへ行って(たった五六度の外出に私はどんな苦心をしたことだろう)人知れず秀ちゃんと会った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...御自分の命を人知れず殺そうと...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...幸子は人知れず気を遣わねばならなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いつも成功ということにたいして感ずる尊敬の念をいだいた――人知れず多少の嫉妬(しっと)を交えた尊敬の念を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし底の方に人知れず残存していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...夜、人知れず、この地蔵様のお膝元(ひざもと)を掘って、相当の金を埋めておく、その金が三日たってもとのままであった時は、その月のうちに願い通りの大金が儲(もう)かる、なんぞと言い触らす者があった...
中里介山 「大菩薩峠」
...人知れず今までも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人知れず嗚咽しているこったろう...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...人知れず力を入れて手を握った...
正岡子規 「句合の月」
...彼は人知れず自負している通り...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...神の恩恵を人知れず頼みにしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...命あらばそれとも見まし人知れず岩根にとめし松の生(お)ひ末よく書き終えることもできなかったような乱れた文字でなった手紙であって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人知れず身ぶるいをしたくらいです」「……………」「……どうです...
夢野久作 「一足お先に」
...彼の憂いと畏怖は人知れず深かった...
吉川英治 「三国志」
...寧子(ねね)も人知れず...
吉川英治 「日本名婦伝」
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