...別に人知れず僕等の探偵本部を作る必要がある...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...御自分の命を人知れず殺そうと...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...人知れずベエコンは失望した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...人知れず全身の注意を...
太宰治 「佐渡」
...彼等の傍の樹の蔭を人知れず通りすぎていた普通の郵便配達夫の肩に手をかけた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...人知れず悶(もだ)えるまま放っておきます...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...石の影に三十日(みそか)の毒を人知れず吹く夜(よる)の蟇(ひき)と...
夏目漱石 「虞美人草」
...二人とも人知れず家(いえ)を捨てた...
夏目漱石 「それから」
...人知れずその合唱団の中に交(まじ)り...
野村胡堂 「楽聖物語」
...その時人知れず悲愴陰惨な市街戦が行なわれていたのである...
久生十蘭 「魔都」
...人知れずほつと呼吸したやうな気持にもなつた...
平出修 「夜烏」
...こんな山の中で人知れず味(あじわ)っているんですもの...
堀辰雄 「美しい村」
...そなたがこころを持ち直し、貴い格式にもどられたとき、うるそう噂をいたそうはこの輩(やから)、それゆえ、斬ってつかわしたばかり――何で、拙者、そなたに危害を加えよう――それよりも――」と、いいかけて、乾(ひっ)ついた咽喉(のど)を、咳ばらいをして、「な、この五助、是非とも、そなたと、たった二人、人知れず、相談することがある――そなたの胸の中も、よううけたまわって、悪(あ)しいようにははからぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...命あらばそれとも見まし人知れず岩根にとめし松の生(お)ひ末よく書き終えることもできなかったような乱れた文字でなった手紙であって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人知れずソッと頭を下げてみたいようなタヨリない気持にさえなったのであった...
夢野久作 「斜坑」
...わたしの今日此頃の心も人知れず枳殻の実を食べる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...この謙信も人知れず...
吉川英治 「上杉謙信」
...人知れず動悸(どうき)が打って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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