...しかしいかに南朝の宮方(みやがた)が人目を避けておられたとしても...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...残らず人目を避けて行なわれる一方...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...城内ふかく人目を避けて閉籠もっていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...それも人目を避けて大急ぎでやるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人目を避けてこれまで来たもののように見られないでもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...本妻の里江は、典型的(てんけいてき)な古風な女房でしたが、石女(うまずめ)特有の神經質な冷たいところがあり、放縱(はうじゆう)で作法も禮儀も辨(わきま)へないお照に取つては何が何でも煙たい存在であり、それに、天文の研究と稱して、屡々夜半まで此處に籠る秋岳をつかまへて、人目を避けて、勝手氣儘に甘えるためには、まことに申分の無い隱れ場所でもあつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こごしい山曲で人目を避けて農耕にいそしんでいるということだが...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...蔦ホテルかなんかで知合になつた同志が、人目を避けて、此處まであひびきに來たらしかつた...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...人目を避けている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...その一つのアウチの下に人目を避けて立話しした...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...人目を避けて退出した...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...美しい女優は人目を避けて市中の見物に出た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...従者らはここに近いどこかでよく人目を避けて時間を送るように...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中宮(ちゅうぐう)のために楽府(がふ)を講じるにも人目を避けてそっと秘密に講じています...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...人目を避けて星を見るにはいい...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...十一ふたりは、人目を避けて、余りに旧情をあたため過ぎていたが、やがてお互に、そうしてはいられないいまの場合を想起して、「ときに、今日これへ来たわけは?」と、介三郎から質問した...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...人目を避けて恋人とかくれに入るような秘密と似たものが五十過ぎた男の胸をそっと揺する...
吉川英治 「源頼朝」
...彼の老政治家が何か事を案ずる際には常に人目を避けてこの別莊に籠ると云ふ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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