...捲(ま)き上(あ)げようとして這入り込みながら散々手を焼いて駅亭から追い立てられているような事もいった...
有島武郎 「カインの末裔」
...お前の亭主はよかつたか?」「さう...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...協同親和会は四月二日三日の両日にわたって神田錦町の松本亭に臨時大会を開き...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そして慄えながら、どうだと問い、こうだと聞いているのは、知らぬは亭主の、その亭主のようだ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私には声を低めてボツボツと話し出してくる亭主の青い顔までが言いようもなく幽暗なものに見えてくるのであった...
橘外男 「逗子物語」
...崖に臨んだ小さな亭見たやうな処に腰をかけて...
田山録弥 「百日紅」
...折合いの悪い継母を斬りつけたという自分の前の亭主のことが...
徳田秋声 「黴」
...数年前富貴亭はわづか一円にて抹茶まで出せしに...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...そしてその日の夕刻からは極(ご)く親しい友人や門弟が寄集って主人(あるじ)柳亭翁が自慢の古書珍本の間に酒を酌(く)み妓(ぎ)を聘(へい)して俳諧(はいかい)または柳風(りゅうふう)の運座を催すのが例であった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...竹細工師で情夫とも御亭主ともなっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...我輩は亭主に自分の身体(からだ)はいつ移れるのかと聞いたら今日でもよいというから...
夏目漱石 「倫敦消息」
...女は惡い亭主を持つと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おそろしく不機嫌な御亭主面をした七兵衛さんが...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...おやすみなさい! ごきげんよう!」亭主が部屋を出るか出ないかのうちに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...城囲みに逢ってうろたえまわる亭主どもを奥へおしこめ...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...八月二十三日(水曜)十一時半に迎へが来り、丸の内中央亭へ、東京講演会てのから頼まれて、食事してから何か話す会...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...蒸気河岸(がし)の「根戸川亭(てい)」とは格の違う...
山本周五郎 「青べか物語」
...(触れてはならぬものだ)彼は亭(ちん)を出た...
吉川英治 「親鸞」
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