...樹間に呼び交う鳥の声も...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...お茶屋へ往き交う者のほかは人脚も疎(まば)らになって...
近松秋江 「狂乱」
...まだこの辺(へん)をばあちこちと不安な顔付して行交う人たちの口々に...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その前を行き交う着飾った人波とを思出したのだ...
中島敦 「環礁」
...ホタルの飛び交う田圃道(たんぼみち)を...
野村胡堂 「胡堂百話」
...「先生さまあ――」と親爺は行き交う人間の顔に眼を光らせながら...
本庄陸男 「白い壁」
...青田の夜に飛び交うてゐる蛍の眺めを――とか...
牧野信一 「初夏通信」
...飛び交う蝙蝠(こうもり)の翼を掠めて...
正岡容 「小説 圓朝」
...足早にゆき交う人たちをせきたてるかのように...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...縦横無尽に行き交(か)い飛び交う...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鴎のゆるく飛び交う水面を拡がる水脈のような甘美な愁いがいっぱいに流れわたった...
横光利一 「旅愁」
...行き交う人人の眼を奪った日のことも...
横光利一 「旅愁」
...青い虫の飛び交うほか...
吉川英治 「剣の四君子」
...大きな蝙蝠(こうもり)の影が月をかすめてまま飛び交う...
吉川英治 「新書太閤記」
...キチキチキチ……と青い螽(ばった)が信長の姿に飛び交う...
吉川英治 「新書太閤記」
...逞(たく)ましげな熊ン蜂がねむたげな羽音に乗って飛び交う……...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...行き交う人々の顔をいちいち...
渡辺温 「絵姿」
...朝あがりの日かげに忙がしげに行き交うておる船頭や仲仕や客人や泣いてる子供や...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索