...亡き人の弟といふ懐しさが先に立つて...
石川啄木 「鳥影」
...亡き人の今朝からの俤を繰返し繰返し思ひ浮べて泣いた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...妻は相変わらず亡き人の足のあたりへ顔を添えてうつぶしている...
伊藤左千夫 「奈々子」
...こんな物へ弟の馨は亡き人を忍ぶつもりで毎日水をやつてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そのなかに正宗白鳥氏は今は亡き人の平尾不孤...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...仏頂寺はすでにこの世に亡き人だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...亡き人のはいづれ哀なり...
中谷宇吉郎 「『団栗』のことなど」
...亡き人を故(もと)に返さぬ無惨(むざん)なものである...
夏目漱石 「虞美人草」
...亡き人の樣子の方が...
堀辰雄 「おもかげ」
...その後故あって廃業して仕舞い一場(いちじょう)の昔譚(むかしばなし)を今日に残したその妻も今は疾(と)く亡き人の数に入った...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...あなたの為に世に亡き人となったデヤドラの美しさのために……ただ剣と悲しみがあると...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...おそらく亡き人の遺言を重んじてのことだったのだろう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...朽木氏は今は亡き人であるから...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...是は亡き人の往(い)って住むという...
柳田国男 「海上の道」
...また毒矢のぬし史文恭(しぶんきょう)をもいけどって亡き人のうらみを報ぜん...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いまは亡き人であるが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...亡き人に代って小次郎の手へ授けると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...亡き人を偲んでのことに違いないと私は思った...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
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