...亡き人の弟といふ懷しさが先に立つて...
石川啄木 「鳥影」
...果して亡き人の着てゐた着物であつた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...自分はありありと亡き人の俤(おもかげ)が目に浮かぶ...
伊藤左千夫 「奈々子」
...そのほか亡き人の物らしいもの何一つ見当たらない...
伊藤左千夫 「奈々子」
...妻は相変わらず亡き人の足のあたりへ顔を添えてうつぶしている...
伊藤左千夫 「奈々子」
...亡き人の声を聞いたのと...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...自分をあれ程までに労(いた)はり羽含(はぐく)んでくれた亡き人の犠牲的な愛を思ふと...
薄田泣菫 「茶話」
...真の母はすでに亡き人ゆえうすれてしまう...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...この世に亡き人の数に入っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...胆吹の山の女賊の手にかかって亡き人の数に入っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...亡き人を故(もと)に返さぬ無惨(むざん)なものである...
夏目漱石 「虞美人草」
...そこで亡き人の札幌となる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...其情如何に濃(こまやか)なるも亡き人をして飲食せしむることは叶わず...
福沢諭吉 「新女大学」
...既(すで)に世に亡き人と思いし朋友の再生に遭(あ)うたるが如(ごと)し...
福澤諭吉 「蘭学事始再版之序」
...中務大輔は俄(にわ)かに煩いついて亡き人の数に入った...
堀辰雄 「曠野」
...わが亡き人と瓜(うり)二つのすがたなのに...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...根の国の話一 亡き人に逢える島肥前(ひぜん)の下五島(しもごとう)...
柳田国男 「海上の道」
...また毒矢のぬし史文恭(しぶんきょう)をもいけどって亡き人のうらみを報ぜん...
吉川英治 「新・水滸伝」
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