...念頭些(いささか)の苦悶なきに至る可しと...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...』その気持(きもち)は別(べつ)に現世(げんせ)の時(とき)と些(すこ)しも異(かわ)りはしませぬ...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...かくて過去に經驗した極めて些末な慾望...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...些(ちと)憚つて然るべき筋の考であるのだが...
石川啄木 「葬列」
...あなたには些の関係もないC子氏で御座います...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...ごく些細(ささい)な要素がそれを定める...
梅崎春生 「日の果て」
...恰も内部の朽ちた枯木が些細の風にも倒れる如くに...
丘浅次郎 「人類の将来」
...夜、些細なことで、コンラッドとジャクスンとが口喧嘩をして二人とも食事なかばに立ってしまう...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...「いや些(すこ)しばかりでお気の毒だな」「恐れ入ります...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「幻想」
...些(いささ)かの満足(?)を覚えていたのである...
中島敦 「光と風と夢」
...一時の些細(ささい)なることのために定められる場合は決して少なくないから...
新渡戸稲造 「自警録」
...大急ぎでお袖を締めたんだ」馬鹿の言ふことには些(すこ)しの嘘があらうとも思はれません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...些(すこ)し躊躇(ためら)ッていて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...実際の政界の事情は些(ちッ)とも分っていなかった...
二葉亭四迷 「平凡」
...確かに些か悄氣(しよげ)た調子で...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...近子は些(ちつ)と拍子抜(ひやうしぬけ)のした氣味であつたが...
三島霜川 「青い顏」
...かかる私行の些事(さじ)といえ...
吉川英治 「私本太平記」
...前述の極めて些少の例外を除き...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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