...さう云ふ家庭内の些事に対して煩はされて自分の為の生活を眩まされて苦しむのがつく/″\馬鹿々々しい事だとしか思へなかつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...その一軒には些かの庭もあつて...
岩本素白 「野の墓」
...大根飯を炊く――萱の穂で小箒を拵らへる――髯が伸びて何となく気にかゝる――といつたやうな身辺些事もそれ/″\興味があるものだ...
種田山頭火 「其中日記」
...だからこんな些細な問題はしばらく棚に上げておこう...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...『些とも迷惑なことはありやしません...
徳田秋聲 「媒介者」
...A女はなにか些細な用事で...
豊島与志雄 「霊感」
...其れで居て些かの喧(かしま)しい亂雜をも來(きた)さない...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...実に些細なことだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...思切ッて些し声を震わせて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...些(ちよツ)と飛上ツて...
三島霜川 「解剖室」
...その死もまた些細なものであるとなす事はできない...
水野仙子 「嘘をつく日」
...こいつは些(ち)っとも役に立たない車だと思い...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...「他の千万人にとっては些細(ささい)なことでも...
山本周五郎 「あだこ」
...そんなけぶりは些(いささ)かもみせずに...
山本周五郎 「いさましい話」
...そんな些細なことは問題にならない筈であった...
山本周五郎 「季節のない街」
...おかね嬢は些(いささ)かの躊躇(ちゅうちょ)もなく応諾し...
山本周五郎 「百足ちがい」
...「僕の妻も氷川(ひかは)のはうまで些細な炭を買ひに行つたもんだよ」といふんです...
吉川英治 「折々の記」
...作事場の中の些細な事故にも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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