...よくまァ御無事(ごぶじ)で……些(ち)ッとも姫(ひい)さまは往時(むかし)とお変(かわ)りがございませぬ...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...殆んど一顧の値だに無き極々(ごくごく)些末の一事件であるのかも知れない...
石川啄木 「葬列」
...そんな些事が矢張り一大問題になるのだつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...何かほんの些細(ささい)なことが癪(しゃく)に触つたのでもあらうか...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それは友情においては些々(ささ)たることにすぎない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ゴーリキのやりくちは露西亜ならほとんど問題にならないくらい些細(ささい)な事件なんでしょうがね...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...兎(と)に角(かく)斯(こ)う云う問題は答えるに些っと答え難(にく)い...
「文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」
...かくの如く何もかも主人まかせで少しの意志些(いささか)の自由をも有せないものが僕(しもべ)である...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...天の女性に賜わりし特色をもて些(いささ)かなりとも世に尽さん考えなりしに...
福田英子 「妾の半生涯」
...些細な冒険も数日で終わるだろうし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...些細な経験のようであるが...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
...まるで意図するところ些(いささ)かもないのに...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...妊娠中は些細なる事をも冒険と覚悟すべきことに候...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...身のまわりのごく些細な事柄に関してさえ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...多くの読者はあるいは自分の郷里ばかりの一些事(さじ)なりと考えられるか知らぬが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...学生の方は家族同伴が些(すく)ない事と...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...彼も人間であり、ふつうの感情の持主である以上、眼中にないというわけではないが、(些事(さじ)は、どこまでも些事、糺(ただ)せばいつでも明白なこと)として気に病まないだけのことであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...他人の些細な非行たりとも...
吉川英治 「茶漬三略」
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