...凡そ六年間に亙る自分の内面生活の最も直接な記録である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...霧島火山群(きりしまかざんぐん)は東西(とうざい)五里(ごり)に亙(わた)り二(ふた)つの活火口(かつかこう)と多(おほ)くの死火山(しかざん)とを有(ゆう)してゐる...
今村明恒 「火山の話」
...全市に亙(わた)る爆撃をうけたときは...
海野十三 「空襲葬送曲」
...今や大西洋海底に怪人集団が蟠居していることは世界の隅々まで知れ亙った...
海野十三 「地球発狂事件」
...鼻から顳に亙つてゐる深い刀傷とは...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...三世に亙(わた)り...
高神覚昇 「般若心経講義」
...美濃(みの)一國の山々は波濤の打寄するが如く蜿蜒(ゑんえん)と連(つらな)り亙(わた)りて...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...永きに亙り爭ひて彼等心に憤り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...私が申上げるのは段々枝葉に亙ると云ふことは免がれませぬ...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...而して支那に於いても各時期に亙る所の形式を...
内藤湖南 「日本上古の状態」
...序近頃芸術は世界全般に亙つて衰へ...
中原中也 「詩に関する話」
...「何といふ惨憺たる老年であることか! しかもこれが四十年に亙つて『魂と肉体とを苛んだ』精進の結果である...
北條民雄 「頃日雑記」
...空は晴れ亙つて、太陽はさんさんと降り注いでゐた...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...これはヨオロッパの最大部分に亙る一般的不作があったからに外ならないのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...連嶺(れんれい)の亙り續いてゐる頂にばかり目を馳せてゐた私達が...
吉江喬松 「霧の旅」
...すでに両国が修好を締結するまえ数年に亙(わた)って...
吉川英治 「上杉謙信」
...播州(ばんしゅう)但馬(たじま)の二国に亙って平定を見たのである...
吉川英治 「黒田如水」
...おそらく微(び)に入り細(さい)に亙(わた)って問われたであろうことは疑いない...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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