...凡そ六年間に亙る自分の内面生活の最も直接な記録である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...十年近くもの永い歳月に亙って...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...殆ど直線に近い大弓状の曲線を描いて十数里に亙る平坦な砂浜の間...
高村光太郎 「智恵子抄」
...蟲の音(ね)亙(わた)りて月高く...
高山樗牛 「瀧口入道」
...美濃(みの)一國の山々は波濤の打寄するが如く蜿蜒(ゑんえん)と連(つらな)り亙(わた)りて...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...二高時代以來四十年に亙る私の畏敬する心の友である...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...遂に文化三年(千八百六年)より四年に亙(わた)り...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...専門家が半年に亙(わた)って研究し尽しましたし...
野村胡堂 「古銭の謎」
...菱屋が永年に亙(わた)つて手廣く禁制の拔け荷を扱つてゐることを密告したためで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二代に亙る敵を討(う)ちました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あまり知れ亙りすぎてゐるほどの東名所(あづまめいしよ)で...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...このことによつて時より永遠に亙る死の嚴肅深刻なる意義ははじめて貫徹されるであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...五世紀に亙ってこの国を統治している...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...空は晴れ亙つて、太陽はさんさんと降り注いでゐた...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...その滞留の全期間に亙って十五年ごとに人口を倍加したと計算されている1)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...五體に行き亙つて行く情緒の快さのうちに...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...ふたりの黙契している野望――あらゆる審(つぶ)さに亙って...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...駿河(するが)なる沼津より見れば富士が嶺の前に垣なせる愛鷹(あしたか)の山東海道線御殿場驛から五六里に亙る裾野を走り下つて三島驛に出る...
若山牧水 「樹木とその葉」
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