...二十余年に亘り、斯学の為めに心血を灑ぎ、あまりの奮闘に精力を竭尽して斃れた先生は斯学における最大の偉勲者であることは曰う迄もない...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...霜枯(しもがれ)は幾基米突(いくきろめえとる)に亘る鬱憂を逞しうして人(ひと)つ子(こ)ひとり通らない街道(かいだう)の電線を腐蝕してゐる...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...これは余談(よだん)に亘(わた)るが...
海野十三 「人造人間戦車の機密」
...比較神話学の領分以外に亘るを以て...
高木敏雄 「比較神話学」
...一週間十日に亘(わた)る単独の旅行なぞに...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...餘りに精密(せいみつ)に亘(わた)りて專門的に傾くは...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...この風俗は官吏の全部に行き亘って...
戸坂潤 「社会時評」
...山の中腹以上の広い地域に亘っている...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...山彙の遠く綿亘するを睥睨するが如き緩峯...
長塚節 「草津行」
...用人から端女(はした)の末まで行亘(いきわた)って居る為でした...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...其記事の比較的正確にして且社會諸般の事項に亘り...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...どこまでもドイツ趣味がくまなくしみ亘つてゐるやうに眺められた...
三好達治 「オルゴール」
...よしや数月の久しきに亘つたにしても...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...英領加奈陀(カナダ)との競争状態といったような各項に亘って無慮...
夢野久作 「近世快人伝」
...全世界に亘る『狂人の暗黒時代』と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...もちろん伊丹亘(いたみわたる)か加藤八弥太かの城内にある同情者の所為(しょい)にちがいはない...
吉川英治 「黒田如水」
...亘志摩の話によって明確になった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...家康という人物が十四世紀以来二世紀に亘る民衆運動に止めを刺す役割を以て現われて来たのであるということ...
和辻哲郎 「鎖国」
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