...此れ政令(せいれい)二途(と)に出で...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...從つて我等が他の現實的自我に奉仕する道は自ら二途に別れる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...善惡二途の知識の木になりたる...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...彼等は唯だ僅かに可能なる二途あるのみと思惟してゐる様に思はれる――即ち慾望の奴隷となるか或は義務の奴隷となるか二者の一を選ぶにある...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...三、耶蘇基督の貧を思え、彼は貧家に生れ、口碑の伝うる所に依れば彼は十八歳にして父を失い、爾後(じご)死に至るまで大工職を業とし父の一家を支えしとなり、狐は穴あり空の鳥は巣ありされど人の子は枕する処だもなしとは基督地上の生涯なりき、僕(しもべ)はその主人に優(まさ)る能わず、汝の貧困基督の貧困に勝るや、彼は貧者の友なりし、貧しきものは幸(さいわい)なり(路加(ルカ)六章二十節)との非常の言は彼の口より出でしなり、貧ならざれば基督を悟り難し、“Christ was hungry, Christ was poor,He will feed me from his store.”――Luther's Song.四、富必しも富ならざるを知れ、富とは心の満足をいうなり、百万円の慾を有する人には五拾万円の富は貧なり、拾円の慾を有する人には二拾円は富なり、富むに二途あり、富を増すにあり、慾を減ずるにあり、汝今は富を増す能わず、しからば汝の慾を減ぜよ、カーライル謂(い)えるありいわく、「単数も零にて除すれば無限なり()、ゆえに汝の慾心を引下げて世界の王となれ」と、余は五拾万弗(どる)の富を有する貴婦人が貧を懼れて縊死せるを聞けり、金満家の内幕は必しも平和と喜悦(よろこび)とにはあらざるなり、神の子のごとき義侠、天使のごとき淑徳はむしろ貧家に多くして富家にすくなし、我らは貧にして巨人たるを得るなり、神が汝に与えし貧ちょう好機械を利用して汝の徳を高め汝の家を清めよ、快楽なる「ホーム」を造るに風琴の備附(そなえつけ)、下婢(かひ)下男(げなん)の雇入(やといいれ)を要せず、もし富を得るの目的は快楽にありとならば快楽は富なしにも得らるるなり、“My mind to me a kingdom is.”(心ぞ我の王国なり((ママ)))、我は貧にして富むことを得るなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...死ぬかの二途のうち一を選ぶのほかはないのであるから...
丘浅次郎 「人道の正体」
...』ヂオメーデース之を聞き思は二途に相分る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...若くは新たに之れを製造するの二途あるのみ然るに板垣伯の自由黨に於けるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...由来韓国の憂は政令二途に出づるに在り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...二途の外はないのである...
豊島与志雄 「理想の女」
...手段はこの二途しかない...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...制作として二途を追いにくいことが明瞭となりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...敬遠するかの二途しかないと思わざるを得ない位にめんどうな事になります...
三好十郎 「恐怖の季節」
...貫徹(かんてつ)か)まさにこの二途を賭して...
吉川英治 「三国志」
...鎌倉の令はこのところ二途(と)から出ていた...
吉川英治 「私本太平記」
...いつも命令二途より出て...
吉川英治 「新書太閤記」
...この二途は出ませぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを名分にうたって二途(と)二軍勢で同時に二つの城市へ攻めてゆく...
吉川英治 「新・水滸伝」
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