...でも妹たちの手ぬぐいが二筋ぬれて手ぬぐいかけの竹竿(たけざお)にかかっていた...
有島武郎 「或る女」
...雪の上に残されていたスキーの跡は、確かに二筋で、それは一人の人の滑った跡に違いなかった...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...鋭い刃物の創(きず)が二筋ほどえぐるように引ッ掻かれていた...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...大切そうに二筋(すじ)の林檎の皮を取出しながら「この古い方は断崖の上の現場で...
大阪圭吉 「花束の虫」
...――酒呑喜べ上戸党万歳!……たゞこの二筋につながる...
種田山頭火 「行乞記」
...地盤のお蔭で床の間の古壁に二筋割目が入つたのと...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...二筋の藁屑と一枚の木の葉とが...
豊島与志雄 「聖女人像」
...いずれも斜めに右と左との二筋に分かれていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...吉原から浅草に至る通路の重なるものは二筋あつた...
永井荷風 「里の今昔」
...また東西には二筋の大道路が隅田川の岸から上野谷中の方面に走っているさまを目撃すると...
永井荷風 「里の今昔」
...やはり白重籐(しろしげとう)の弓に中黒の矢二筋を添えてやって来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この二筋の矢は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一筋や二筋のみれんはないでもない...
林芙美子 「多摩川」
...そこには軌道が二筋ずつ四つか五つか並べて敷いてある...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...そして頬へみだれかかっていた二筋三筋の髪...
山本周五郎 「日本婦道記」
...夜光(やこう)朝光(ちょうこう)この二筋の間道――分れて何処へ出るものやら知れませんが...
吉川英治 「江戸三国志」
...軌(わだち)は白い道に二筋の痕(あと)をのこして遠ざかった...
吉川英治 「親鸞」
...道が二筋に別れていますね」「右へまいろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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