...二筋黒くなって砂山かけて遥(はる)かに見えた...
泉鏡花 「悪獣篇」
...鋭い刃物の創(きず)が二筋ほどえぐるように引ッ掻かれていた...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...道は二筋に分れていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...ぎらつく双眼から涙が二筋...
峠三吉 「原爆詩集」
...二筋三筋断続した地割れがしていた...
豊島与志雄 「古井戸」
...年増めいた二筋の皺がより...
豊島与志雄 「水甕」
...また東西には二筋の大道路が隅田川の岸から上野谷中の方面に走つてゐるさまを目撃すると...
永井荷風 「里の今昔」
...吉原から浅草に至る通路の重なるものは二筋あつた...
永井荷風 「里の今昔」
...僅か上下二筋(うえしたふたすじ)の鉄条綱(てつじょうこう)が引張ってあるばかりで...
永井荷風 「日和下駄」
...やはり白重籐(しろしげとう)の弓に中黒の矢二筋を添えてやって来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...其遙かな粟が嶽の山腹から二筋の青い煙が立ち騰つて居る...
長塚節 「彌彦山」
...道は間もなく二筋に切れる...
夏目漱石 「草枕」
...あの時手拭を二筋ずつ比べて行ったんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...髮の毛らしいものが二筋三筋粘(ねば)り附いて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...痛々しくも豊かな頬へ二筋三筋真紅の線を引いているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...糸がたった二筋(にほん)だから単純でいて...
長谷川時雨 「神田附木店」
...彼の眼は二筋の光る裂目(さけめ)にすぎなくなっている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...欲と色との二筋道から...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??