...こいつ等(ら)は二人とも大泥坊です...
芥川龍之介 「三つの宝」
...そして、その浮ついた言葉やお客の急にはしやぎ出した調子をこちらから靜かに聽いてゐると、二人とも、今、大きな樫の木か何かの食卓に向つた間よりも、一層の隔絶を生じて來たのである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ダン艇長は、右の腕をうたれ、酋長ロロは耳のところにすりきずをうけただけだが、二人とも、びっくりして気をうしなっていたのであった...
海野十三 「太平洋魔城」
...が、二人とも、大して理由にならない理由で、それを拒絶した...
大杉栄 「日本脱出記」
...なぜなら彼等二人ともある珍らしい型の聖宝を持っておったからじゃ...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...二人とも雫を頭から浴びた...
豊島与志雄 「霧の中」
...今、二人ともに、これから寝に就こうとして、その寝つき端(ばな)をまだ話が持てているらしいのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...姉がまだ二人とも嫁(かた)づかずにいた時分の事だというから...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...二人とも死んだやうに疲れて居りました...
牧野信一 「初夏」
...やがて二人ともグーグーといびきをかき初めました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...「三田さん、政子さんは貴方と一緒のお家にいらっしゃったのですね」「そうでございます」芳子さんと政子さんは、同じ一族の人々ですから、二人とも苗字は、同じで三田といいました...
宮本百合子 「いとこ同志」
...正規な高級な社會學的な教養は二人とも持つていないのである...
三好十郎 「肌の匂い」
...二人とも正体をなくしているらしい...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...なかなか面白いので二人とも醤油買いを一つの楽しみにしていた...
夢野久作 「近世快人伝」
...彼の氷島行きを防ぎとめなければならない!‥‥けれどどうしたらばそれが出來ようか? 二人とも金を持つてゐないのに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...一切夢中で二人とも屋敷の外へ逃げ出しました...
吉川英治 「江戸三国志」
...その深夜を冒(おか)し、雨を冒して来た客の二人は、二人とも、直垂(ひたたれ)から袴(はかま)ごし、太刀の緒まで、片袖ずつ、ぐっしょり濡れて坐っていた...
吉川英治 「親鸞」
...二人とも控えぬか」「はっ……」「他見(わきみ)すな! 道ぐさすな!」「はいっ」「轍(わだち)にかかる石...
吉川英治 「親鸞」
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