...結婚は一生の大事だから身分身代の詮議は二の次である...
内田魯庵 「犬物語」
...女賊を逃がしたことなどは二の次にして...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...作家たるもの、またこの現象を黙視し得ず、作品は二の次、もっぱらおのれの書簡集作成にいそがしく、十年来の親友に送る書簡にも、袴(はかま)をつけ扇子(せんす)を持って、一字一句、活字になったときの字づらの効果を考慮し、他人が覘(のぞ)いて読んでも判るよう文章にいちいち要(い)らざる註釈を書き加えて、そのわずらわしさ、ために作品らしき作品一つも書けず、いたずらに手紙上手の名のみ高い、そういうひとさえ出て来るわけではないか...
太宰治 「もの思う葦」
...しかしリリーに会える会えないは二の次として...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...謎を明らかにして悪の一味を罰するのは二の次だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...こうみえても歴乎とした官吏だなんてことは二の次にしても...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...われわれにとっては art は二の次(つぎ)で...
夏目漱石 「無題」
...重(おも)しといふとも身代(しんだい)は二の次(つぎ)...
一葉女史 「大つごもり」
...彼は何時もきまって二の次の燕麦しか宛(あてが)われず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...コンナ事の詮索(せんさく)は先(ま)ず二の次にして...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...しばしば誇りも二の次にならざるを得ないのも...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...学校の修業などは二の次として...
三宅花圃 「藪の鶯」
...より強大な国際資本におんぶして大衆生活は二の次として生きのびる決心をしてから...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...仕事の方を第一にして自分を省みるのを二の次にする人々...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ただ彼の政策の成功だけを重く見て彼の誠実や良心の方は二の次にした人々*の言うところも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そのため良い品を作るということは二の次にせられました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...おれのことなんか二の次でいいんだよ栄ちゃん...
山本周五郎 「さぶ」
...子は二の次でも、藤夜叉には無性に会いたい...
吉川英治 「私本太平記」
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