...施主(せしゆ)はいかやうにもしのぶべきが他人(たのひと)の悃苦(こまる)事見るもきのどくなり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...戻ると末弘は同じ火事見物の帰りらしい背の低い老人と立ち話をしていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...火事見舞に来たとか...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...見事見事だけで一切を片附けてしまったのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...ハハハハなに構わない、それでも貰おう」甲野さんは、だまって宗近君の眉(まゆ)の間を、長い事見ていた...
夏目漱石 「虞美人草」
...火事見舞に行く間際(まぎわ)に...
夏目漱石 「門」
...そう結婚して一と月もたたないうちに子供が生れちゃ事でさあ」「元来いつどこで結婚したんだ」と主人は予審判事見たような質問をかける...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...まだ板囲いも出来ず、灰も掻かず、ブスブス燻(いぶ)る中に、町内の手伝いと、火事見舞と、焼跡を湿している鳶(とび)の者とがごった返しております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...次第に病ひのつのる事見る目も恐ろしきほど悽(すさ)まじき事あり...
樋口一葉 「うつせみ」
...遠き火事見るとしもなきのろのろの人声すなり亥の刻の街火事は一つばんで遠い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...以て芭蕉が客観的叙述を難(かた)しとしたる事見るべし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...照れ隱しに今朝(けさ)あんな泣き事見たいなことを云ひに來たんですよ...
正宗白鳥 「水不足」
...またアブサロムやソロモンが騾に乗った事見ゆる...
南方熊楠 「十二支考」
...この手紙(二十七日づけ)は私の返事見てからでしょうか? そうではなさそうでもあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...註云、乞児猶乞古銭、事見蒙斎筆談、謝在杭五雑組、演為一話、世多以為始自謝氏者陋矣...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...長い事見つめた儘...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...キチガイが焼酎(しょうちゅう)を飲んで火事見舞に来たようなアンバイなんで……暫くして女がスクリンを上げてから気が付いてみると...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...いや見事見事...
吉川英治 「三国志」
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