...三人の子供らの学用品にさえ事欠くこの頃では...
犬田卯 「おびとき」
...炊事の水にも事欠くことがしばしばだった...
犬田卯 「沼畔小話集」
...馬の飼料にも事欠くからという理由で...
梅崎春生 「庭の眺め」
...近代人相応の感覚や情操に事欠くこともあるまい――と...
徳田秋声 「仮装人物」
...何分収入が丸っきりありませんものですから薬代にさえ事欠くような仕末で...
豊島与志雄 「過渡人」
...吾々は必要なものにも多く事欠く現代に於てさえ...
豊島与志雄 「必要以上のもの」
...食事にも事欠くような日々の中で...
中島敦 「光と風と夢」
...雑用には事欠くことはないから...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...彼女が社会運動の為め黒表(ブラックリスト)にのって就職口にも事欠くようになった処へ...
細井和喜蔵 「女給」
...わづかな蓄妾費の捻出にさへも事欠く状態らしかつた...
牧野信一 「熱海線私語」
...今やもう私達は日々の米塩に事欠く仕儀に立ち至つてゐたのである...
牧野信一 「バラルダ物語」
...殆んど小遣ひにも事欠く日々なのに態々紅葉寺まで小金井太郎と杖曳いたことがあつた...
正岡容 「滝野川貧寒」
...いかほど死んでも代りに事欠くことはないと云ひたげにあたりの光景は事もなげにいつもの通りだつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...昨年夏ごろよりどっこの家でも食う物に事欠くありさまでごぜます...
三好十郎 「斬られの仙太」
...昨年夏頃よりどっこの家でも食う物に事欠く有様でごぜます...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...粮米(ろうまい)すらに事欠く中...
吉川英治 「上杉謙信」
...もう病人に与える青い食物(もの)にも事欠くまい」と...
吉川英治 「私本太平記」
...こよいの宴に事欠くことはなかったにちがいない...
吉川英治 「新書太閤記」
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