...阿弥陀如来なんぞと申す妖魔(ようま)の類(たぐい)を事々しく...
芥川龍之介 「邪宗門」
...葉子は何をそんなに事々しくたしなめられる事があるのだろうというような少ししゃあしゃあした無邪気な顔つきで...
有島武郎 「或る女」
...入れちがいにカロラインがはいってきて鶏の無事だったことを事々しく報告した...
有島武郎 「フランセスの顔」
...事々しく装つたのもあれば...
石川啄木 「鳥影」
...事々しく裝つたのもあれば...
石川啄木 「鳥影」
...人々は今更の樣に事々しく...
石川啄木 「天鵞絨」
...人々は今更の様に事々しく...
石川啄木 「天鵞絨」
...内心秀次を庇(かば)う気があるのでその暴状を事々しくは述べ立てゝいないが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...そも/\都下の古本屋に二種ありなぞと事々しく説明するまでもなし...
永井荷風 「古本評判記」
...事々しく通知致されなば親類の奥様や御嬢様方かへつて御迷惑なるべしと察したればなり...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...それを事々しく書かないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...又その計った通りを平岡の所へ来て事々しく吹聴(ふいちょう)したろうが...
夏目漱石 「それから」
...とかく術者は、業(わざ)を自得し、その名が世間に認められ、慕(した)い寄る門下も、多くなればなる程、最初の一念を忘却(ぼうきゃく)し、己が現世の勢力を、押し広め、流派を盛んにして、我慾を張らんとし、秘伝の極意(ごくい)のと、事々しく、つまらぬ箇条を書き並べて、痴者を威(おど)そうとするものだ、わしとても、神ならぬ人間...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...仁義忠孝などとおのれが行なわずに事々しく説き勧めぬが神道の特色なり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...それが三流新聞の娯楽面いっぱいに事々しく掲げられたことがあった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...這奴(しゃつ)が蟄居(ちっきょ)の入寺(にゅうじ)などと事々しく世にふれていたのからして...
吉川英治 「私本太平記」
...お早打(はやうち)が」二騎、町木戸から、ほこりを立てて、城門の方へ駈け去った馬蹄(ひづめ)の音にも、さして事々しく、天下の急変の前駆(ぜんく)とは、耳そばだてる者もなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして折々、そこの門には、主(ぬし)の知れぬ輦(くるま)の着く夜などあって、口さがない町の凡下(ぼんげ)たちは、(六波羅様が忍ばるる)などと専(もっぱ)ら取沙汰しておるぞ――と、それをまた、事々しく、いかにもほんとらしく、取沙汰して伝えて来たりする者がある...
吉川英治 「源頼朝」
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