...綿貫の方も近いうちにただでは済まんような事起るいう予覚感じてて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...庸三が予覚していたとおり...
徳田秋声 「仮装人物」
...呼ばれるに極(きま)っているという予覚(よかく)があった...
夏目漱石 「こころ」
...私の予覚はまるでなかったのです...
夏目漱石 「こころ」
...出来るだけ容赦なくその傍(そば)を通り抜けた健三の胸には変な予覚が起った...
夏目漱石 「道草」
...すこぶる重大な意味をもっているに相違ないという一種の予覚であった...
夏目漱石 「明暗」
...星々は輝やかしい夜の帝(みかど)の間もなき台臨をはやくも予覚するもののやうに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...それの咲き出す頃が丁度私の田舎暮しもそのクライマックスに達するのではないかというような予覚のする...
堀辰雄 「美しい村」
...それまでに何かその殿の一言で決せられた運命から撫子をまぬがれしめるような事がなぜか知ら起りそうな予覚が私にしないこともないからであった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...「八月まで待てとはまあ何んという待遠しさでしょう」頭の君もそれと同じような予覚からか...
堀辰雄 「ほととぎす」
...随分と犬が死の予覚のために苦しがって鳴くのを聴いた...
松永延造 「職工と微笑」
...なんにも予覚せず...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...父兄の死命を制するほどの大事になるに相違ないという予覚も物かは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「だが……」と来るのを予覚しながら...
水野仙子 「脱殼」
...だいぶ危険な空気をさえ予覚させた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...自分が恐ろしい危険を予覚しながら...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そのお話をしてあなたに何かの予覚をあたえるよりも...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...畢竟(ひっきょう)不幸の根拠を予覚したのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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