...最後の乾盃をしておいとますることになりました...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...老師と共に乾盃をくりかえした...
海野十三 「大使館の始末機関」
...前途を祝する乾盃が行われる...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...まだ薄暗い早朝ではあったし、渦巻き返す騒擾の為に、不思議に注意力を失った人々は、誰一人それを疑う者はなかったけれど、シャプラン氏を始め、送別の辞を受ける時も、乾盃の折にも、天空の勇士の無造作と云えばそれまでだが、飛行帽を冠ったまま、飛行眼鏡をかけたままで押し通したのは、考えて見れば、何となく異様なことであった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...隣家の仕合せに対して乾盃を挙げるといふやうな博愛心に似たものを持つてゐるのかも知れない...
太宰治 「お伽草紙」
...欠けた茶碗を持ち無言で乾盃(かんぱい)して...
太宰治 「新釈諸国噺」
...なほまた私たち津軽人の明るい出発の乾盃の辞としてちよつと借用して見よう...
太宰治 「津軽」
...さあ、乾盃...
太宰治 「津軽」
...君僕で呼び合いながら乾盃してもいい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...」しゃれた乾盃の辭に答えて...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...「仲裁」――「和議」――「仲直り」――「乾盃」……そんなことでも繰り返さずして...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...村の酒飲連とマメイドで乾盃してゐる時でも――たゞ...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...――乾盃々々(プロージツト・プロージツト)! 皆なが無茶苦茶になつてしまつてあの晩のことは半ばは有耶無耶で何も思ひ出すことは出来なかつたが...
牧野信一 「南風譜」
...その時此処に集つて乾盃する目的で百合子は夕暮時にそれらのものを舟底に秘して置いたのだ! などゝ説明してゐるのに...
牧野信一 「まぼろし」
...思はぬところに友を見出したと云つて舅は初めて歓喜の声を挙げて村長の為に騒がしい乾盃を続ける……...
牧野信一 「円卓子での話」
...わたしと大田黒君とは間もなく乾盃の歌をうたつてしまつた...
牧野信一 「岬の春霞」
...メイちやんのために乾盃したいのです...
牧野信一 「武者窓日記」
...満場の婦人たちのために乾盃した...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
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