...乾きかけたオヴァオールから酸っぱい汗の臭いが蒸れ立って何とも云えぬ...
有島武郎 「かんかん虫」
...その生乾きの具合がいかにもうまそうなので...
石川欣一 「比島投降記」
...地の濡色も乾きゆくを...
泉鏡花 「紫陽花」
...永い年月の間に全然(すっかり)乾き切って終ったんだ...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...咽喉の同樣の乾きによつて自分に有益な飮料をとるやうに動かされるといふことと等しく...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...」乾ききった唇を少し歪め加減にくいしばって...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...そしていつまでも続いた涙が漸く乾きかける頃には...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...乾ききった肌を見せている河床を見ながら...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...血が乾きかけてから置いたなら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...半ば乾きながらも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...台はまだ乾き切ってはいなかったが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...馬糞墨(まぐそずみ)で乾きが遅いにしてもこいつは両国や谷中から持って来た手紙じゃない」「親分」八五郎はもう一度スタートに並んだ選手のように張りきりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まだ生乾きの唇の跡を見詰めて居りましたが...
野村胡堂 「百唇の譜」
...犯人は料理場の生乾きの壁に凭れていた...
久生十蘭 「魔都」
...朝露が未だ乾ききつてゐなかつた見えて...
牧野信一 「山を越えて」
...ある日麺包(パン)の乾きたるやあると...
森鴎外 「文づかひ」
...乾ききっているので...
吉川英治 「大谷刑部」
...それに耐へて入浴を續くること約三週間で次第にその爛れが乾き始め...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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