...処々乾きかゝつてゐる赤土の運動場には...
石川啄木 「足跡」
...明放した二階の窓から向ひの氷屋の旗(フラフ)と乾き切つた瓦屋根と真白い綿を積み重ねた様な夏の雲とが見えた...
石川啄木 「氷屋の旗」
...ぢつと座つてゐると気持よく乾き切つた空一杯に...
伊藤野枝 「惑ひ」
...しかしこれらが固く乾き続けると壊疽が急速に起きて...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...この頃の照りつづきで乾ききつた路の砂埃が...
薄田泣菫 「旋風」
...削り立ての板には乾きの速い塗料を塗り...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...泣きばれのした眼が乾き...
豊島与志雄 「父の形見」
...晴天風烈しく路忽乾きて砂塵濛濛たり...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...雉子や兎を追ひまはして喉が乾き切つた時に丁度林の中で一軒の家を見つけた...
長塚節 「菠薐草」
...壁の漆喰がなぜ乾きが早いかといえば...
久生十蘭 「魔都」
...乾ききつた寒中の夜の風は...
平出修 「二黒の巳」
...けさの喉の乾きに比すべきものに出逢はずに死んでゆけることをよしとせねばなるまい...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その澪に添つた道には乾き勝ちの台地の上よりも...
水野葉舟 「かたくり」
...筆差しにささった筆のまだ墨の乾き切らぬ穂先を眺めているうちに...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...春の陽に乾きかけていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...昼からひどい暑さであったし、雨のすくない後なので、都の屋根は、乾ききっていた...
吉川英治 「源頼朝」
...灰を浴びたような板屋根が乾き上がっているのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...余り気持のよくない乾き切つたやうな宿場町の其処にたうとう泊つてしまつた...
若山牧水 「渓をおもふ」
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