...まだ乳臭いこの殿の口車に乗せられ居って...
芥川龍之介 「邪宗門」
...私の眼から見れば、すいたの惚れたのといくら仰しゃったところで、ほんの乳臭い、たわいもないものにしか思えません...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...それならば、こっちも天下の道庵だ、胆吹山の根っこで、乳臭い娘に、とっちめられて音を上げてしまったと言われちゃあ、末代までの名にかからあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の鉱山行などもその時そのままの心持を、日記にでも書いて置いたら、定めし乳臭い、気取った、偽りの多いものが出来上ったろう...
夏目漱石 「坑夫」
...乳臭い子供の匂ひがして...
林芙美子 「柿の実」
...乳臭い匂ひがふつと鼻さきをかすめると...
林芙美子 「風媒」
...まだ乳臭い二歳野郎の癖に……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...一生独身で通すというような乳臭い言いぐさをまじめに聞いて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...一生獨身で通すといふやうな乳臭い言ひ草を眞面目に聞いて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...乳臭い青二才にも...
森鴎外 「雁」
...あたし赤ちゃんのお乳臭いの大好き...
山本周五郎 「契りきぬ」
...……ではまったく、隠遁(いんとん)の御意思で」「まさか――」武蔵は笑いながら、膝を解いて、うしろに手をつかえ、「乳臭いわしが、今から何で――...
吉川英治 「宮本武蔵」
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