...思うて是に至る、吾人は遂に、彼が乳人にして、しかも彼が先達たる中三権頭兼遠の人物を想見せざる能はず...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...彼は乳人(めのと)をしていた関係上...
芥川龍之介 「忠義」
...或る時乳人に両親の名を尋ねると...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...名残惜しく思って乳人と共に佛前に通夜をしていると...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...乳人は彼がいつ迄も母の名を呼んで泣き止まないのに当惑して...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...讃岐や乳人に云いつけられていたので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...それは乳人が母の館へ連れて行くことを控えるようになったからで...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...その中で乳人の衛門だけが例外であった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...乳人はよく、佛間が餘りひっそりしていることがあると、「若様、お父さまの所へいらしって、何をなすっていらっしゃいますか、そうっと覗(のぞ)いて御覧遊ばせ」と、そう云ったので、滋幹が恐る/\佛間の前へ行って、閾際(しきいぎわ)に跪(ひざまず)いて、音を立てぬように障子に手をかけて、一寸(いっすん)ばかりする/\と開けて見ると、正面に普賢菩薩(ふげんぼさつ)の絵像(えぞう)を懸(か)け、父はそれに向い合って寂然と端坐していた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...夜中乳人に気付かれぬように寝間を忍び出て...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...不レ計(はからず)も件の密書を得て御乳人(おんめのと)の許へ注進致候由を被レ仰(おほせらる)...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...乳人(めのと)に預けて密(ひそ)かに或る方面へ落してやった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...よう/\乳人(めのと)の乳を離れかけた三つの歳に...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...満寿子さんの大おばあさまは先帝のお乳人で...
久生十蘭 「だいこん」
...うばは金谷(かなや)長者という大家の乳人(めのと)で...
柳田國男 「日本の伝説」
...……その姉はまたこの義貞の乳人(めのと)じゃった...
吉川英治 「私本太平記」
...乳人の手をつよく拒(こば)んだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...乳人(めのと)のふところに抱(いだ)かれて青蓮院(しょうれんいん)へ詣(もう)でたころには...
吉川英治 「親鸞」
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