...ふくれた乳ぶさからふたりのこどもたちに...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...あれは乳ぶさのむれであろうか...
江戸川乱歩 「影男」
...二本の短剣は空中に切りむすび、いなずまのようにギラギラときらめき、男体、女体ともに、額にも、ほおにも、肩にも、腕にも、乳ぶさにも、腹にも、背にも、腰にも、しりにも、ももにも、全身のあらゆる個所に無数の赤い筋がつき、そこから流れ出すあざやかな血潮が、舞踊につれて、あるいは斜めに、あるいは横に、あるいは縦に、流れ流れて、美しい網目を作り、ふたりの全身をおおいつくしてしまった...
江戸川乱歩 「影男」
...その中を、踊りながらめぐり歩く黒ビロードのメフィストは、ゆらぐ裸女の手に触れ、足に触れ、肩をなで、乳ぶさをかすめ、はては、歌うたうくちびるにさえ触れるのであった...
江戸川乱歩 「影男」
...京にのぼるのぞみだけは二つの乳ぶさのまんなかに...
室生犀星 「荻吹く歌」
...乳ぶさのうちに寝入った子を...
吉川英治 「大岡越前」
...母の乳ぶさによく泣いてばかりいた乳呑み児のお燕も...
吉川英治 「大岡越前」
...園子を乳ぶさに、雪子と求太郎を、両方に抱(かか)えよせて、母子(おやこ)は丸い一つになって俯つ伏した...
吉川英治 「大岡越前」
...乳ぶさから奪われた子を...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...乳ぶさをひろげて...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...乳ぶさを授けていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...かの女の乳ぶさに立った...
吉川英治 「野槌の百」
...乳ぶさのやわらかな肌のぬくみが...
吉川英治 「松のや露八」
...牝牛(めうし)のような乳ぶさを胸からはだけ放している女房が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...母親の乳ぶさから打ち捨てられた嬰児(あかご)のように...
吉川英治 「宮本武蔵」
...乳ぶさを出して寝そべっているところを見たのでは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...悲鳴に喘(あえ)ぎたてる真白な胸が、乳ぶさが、露(あら)わに冬風に曝(さら)され、八十馬の眼を、さながら炎の窓にしてしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...母はたしかまだ乳呑みの末の一女を乳ぶさに抱いていたように思う...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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