...そのカラコロの調子一つ乱さないで...
泉鏡花 「遺稿」
...輪郭を乱さない...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...さればそれらの砂壁がその明るさを乱さないようにとたゞ一と色の無地に塗ってあるのも当然であって...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...自分の尊大な孤立の静安さを乱さないこと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どんな場合にも挙措を乱さないだけの沈着と...
豊島与志雄 「小説中の女」
...それ等は全くその小説自体の歴史的空気を乱さない範囲に於て...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...なるべく日本の国を乱さないように骨を折っているということだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その精神状態を乱さないための条件というのは...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...それで函内の空気を乱さないで急激膨脹をさせるために...
中谷宇吉郎 「比較科学論」
...もしもの変が起った時取り乱さないくらいの覚悟をさせるのも...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そしてそれで満足しているにちがいないような想像を乱さないでおこうと努めた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「判決」
...いかなる場合にも取り乱さない省察の周到さにおいて...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...此の娘さんの心を掻き乱さないように...
松永延造 「職工と微笑」
...何物にも我を乱さない態度は立派である...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...取り乱さない様子――強いて気を落つけて居る母の顔にはいかにも苦しそうな表情があった...
宮本百合子 「悲しめる心」
...要は貴い窯の伝統を今後も乱さないようにお希(ねが)いして止(や)まない...
柳宗悦 「小鹿田窯への懸念」
...首里さえその姿を乱さないならば...
柳宗悦 「民藝四十年」
...凍りついた空気をほとんど掻(か)き乱すか乱さないかである...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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