...保吉は女と目を合せた刹那(せつな)に突然悪魔の乗り移るのを感じた...
芥川龍之介 「あばばばば」
...それへ乗り移ると今度は馭者が気違ひのやうに馬を走らせる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...トロッコは三人が乗り移ると同時に...
芥川龍之介 「トロッコ」
...本船からボートに乗り移る際に...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...それとも祖母になり祖父自身になり魂が乗り移るのか明かでないが...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...この男が汽車へ乗ったおかげで同乗の兵隊に乗り移る...
寺田寅彦 「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」
...二人はまずバッテイラから本船に乗り移る...
中里介山 「大菩薩峠」
...自然に乗り移るのだよ...
夏目漱石 「虞美人草」
...その魂(たましい)が方々のお婆(ばあ)さんに乗り移るんだろう...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...涙をかくして乗り移る哀れさ...
樋口一葉 「十三夜」
...フィリップスとブライドに直ちに無電室を出て最後の救命艇に乗り移るように命じたが...
牧逸馬 「運命のSOS」
...船から車に乗り移るころにようやく朝日が上って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...活動女優の表情はいつしらず彼女達に乗り移る...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...魂が『乗り移る』とか『取り憑(つ)く』とか『生れ変る』とかいう事実は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...直ちにこれを奪った他の民族に乗り移る忘恩を決行する...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...小舟へ乗り移る――...
吉川英治 「茶漬三略」
...またそれに乗り移る時汚物によごれた婦人客の有様など...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...この無力の自覚のゆえに煩悩具足(ぼんのうぐそく)の我々にも絶対の力が乗り移る...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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