...内面の要求を緊乎と握つてゐる者には...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...校長の妻は密乎(こつそり)と其後を跟(つ)けて行つて...
石川啄木 「足跡」
...ただ薄みどり色の茫洋乎たる大空洞の片隅に...
太宰治 「お伽草紙」
...私は凝乎(じっ)と我慢をして部屋へ戻って来たが...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...純乎として純なる日本的産物である...
谷崎潤一郎 「純粋に「日本的」な「鏡花世界」」
...断乎として語をつづけた...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...この間まで歴乎(れっき)とした夫がございました...
夏目漱石 「行人」
...――この下手人ばかりは兄じゃございません」妙に断乎(だんこ)とした調子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これでも歴乎(れつき)とした官吏で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...いかにも断乎として事を行なおうと決心している男のように見えた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...カロッサが大戦後のドイツの生活のなかから希望と精神の確乎とした人間成長の可能を見出だそうとした熱意が限界を持ちながらも真面目に伝えられています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...具象的、写生的、即物的、――外界描写的要素の殆んど絶無なところから、これらの短歌の場合、反つてそのポエジイを、最も端的な、確乎とした、明晰なものとしてゐるのは、実はこの詩形の本質を把握し駆使する上に遺憾のなかつた結果であらう...
三好達治 「万葉集の恋歌に就て」
...お師僧さまのおそばに凝乎としていたいのです...
室生犀星 「あじゃり」
...凝乎(じっ)と先刻からふしぎそうにあたいの顔を見ている...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...今は断乎として横暴な命令を拒絶した...
横光利一 「静かなる羅列」
...断乎たる命をくだしかねて...
吉川英治 「三国志」
...断乎たる拒否だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...猶予はならん」断乎として...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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