...「久方ぶりに会ったね...
...「最近久方に連絡していないな...
...「この場所に久方に来ると懐かしい気持ちになる...
...「話が久方に及ぶと退屈してしまう...
...「久方の間、心配していたけど元気で良かった...
...また知らず日に夜(よ)をつぎて溝(みぞ)のうち泥土(どろつち)の底欝憂の網に待つもの久方(ひさかた)の光に飛ぶを...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...黒い土が久方ぶりに表はれて来た...
相馬泰三 「夢」
...誰か園の梅の花ぞも久方の清き月夜にこゝだ散り来るほとゝぎす来啼きどよもす橘の花散る庭を見む人や誰天の川霧たちわたり彦星のかぢの音聞ゆ夜の更け行けば今朝啼きて行きし雁金寒みかもこの野のあさぢ色づきにけるあが宿の秋萩のへに置く露のいちじろしくもあれこひめやも率直なる感情を高朗なる調子でうたう万葉の詩人をなつかしく思う...
高浜虚子 「丸の内」
...久方(ひさかた)ぶり...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...久方ぶりに蒼空でも仰ぐような気持でプウと葉巻の煙を輪に吹いたが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...日久しくしてかくの如しといふ甘稻のみのりはならず枯れたるに水滿てるかも引くとはなしに久方の天くだしぬる雨ゆゑに稻田もわかずひたりけるかもまがなしく枯れし稻田をいつとかも刈りて收めむみのらぬものを日のごとも水は引けども秋風のよろぼひ稻に吹くが淋しさ三日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...七月短歌會那須の野の萱原過ぎてたどりゆく山の檜の木に蝉のなくかも豆小豆しげる畑の桐の木に蜩なくもあした涼しみ露あまの川棚引きわたる眞下には糸瓜の尻に露したゞるも芋の葉ゆこぼれて落つる白露のころゝころゝにのなく青壺集わすれ草といふ草の根を正岡先生のもとへ贈るとてよみける歌并短歌久方の雨のさみだれ...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...久方ぶりの無為を楽しみながら...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...同巻八の「夏まけて咲きたる唐棣花(はねず)久方(ひさかた)の...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...久方ぶりに大快眠をむさぼった...
松濤明 「春の遠山入り」
...「中に生(お)ひたる」(久方の中におひたる里なれば光をのみぞ頼むべらなる)と源氏は古歌を口ずさんだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...久方ぶりどころか...
山本周五郎 「雨あがる」
...久方ぶりにくつろいで飲んだ...
山本周五郎 「いさましい話」
...久方ぶりで自由な自分をとりもどした感じだった...
山本周五郎 「菊千代抄」
...久方ぶりに栄二は昂奮(こうふん)し...
山本周五郎 「さぶ」
...不断草……ずいぶん久方ぶりでした」「お気に召しましてうれしゅう存じます」菊枝はほっと息をつきながら云った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「久方ぶりだな、十左衛門、私だ」老人は大きく口をあけた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...久方振りでこの大学の門を潜って...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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