...」主税は色気のない大息ついて...
泉鏡花 「婦系図」
...書肆(ほんやの)文求堂をもうちっと富坂寄(とみざかより)の大道へ出した露店(ほしみせ)の、いかがわしい道具に交ぜて、ばらばら古本がある中の、表紙の除(と)れた、けばの立った、端摺(はしずれ)の甚(ひど)い、三世相を開けて、燻(くす)ぼったカンテラの燈(あかり)で見ている男は、これは、早瀬主税である...
泉鏡花 「婦系図」
...主税が自分嘱(たの)まれのさる学校の授業を済まして帰って来ると...
泉鏡花 「婦系図」
...半吉ででもある事か、大(おおい)に吉(よし)は、主税に取って、一向に芽出度(めでたく)ない...
泉鏡花 「婦系図」
...主税は思わず三世相を落して...
泉鏡花 「婦系図」
...主税は膝の傍(わき)へ置いたままなり...
泉鏡花 「婦系図」
...と見て胆(きも)を冷したのは主税で...
泉鏡花 「婦系図」
...主税がまた此地(こっち)へ来ると...
泉鏡花 「婦系図」
...社は山に向い、直ぐ畠で、かえって裏門が町続きになっているが、出口に家が並んでいるから、その前を通る時、主税も黙った...
泉鏡花 「婦系図」
...主税は、当初(はじめ)から酔わなきゃ話せないで陶然としていたが、さりながら夫人、日本広しといえども、私にお飯(まんま)を炊(たい)てくれた婦(おんな)は、お蔦の他ありません...
泉鏡花 「婦系図」
...嗟嘆(さたん)して主税に聞くべく...
泉鏡花 「婦系図」
...島田虎之助は加藤主税を斬ったる刀を其の儘身を沈めて斜横に後ろへ引いて颯(さっ)と払う理屈も議論もない...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...それから島田虎之助に向った加藤主税...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...剰す所は田内主税(ちから)と土屋七郎とである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...同じく連坐せられた十津川の士上平(うへひら)(一に錯(あやま)つて下平に作る)主税(ちから)は新島に流され...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...主税やお陸の耳にもひびいた程だし...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...すぐ塀隣りの土屋主税(ちから)の屋敷では...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...主税や刑部官たちを...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索