...前に見のこして置いたものを見たりするのが私の主たる目的だつた...
阿部次郎 「帰来」
...凡そ教育と謂ひ智力並びに宗教上のあらゆる修養努力といふもそれを決定する主たる問題として人類の向上を念頭に置く迄は浅薄たるを免かれない...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...その主たる問題はその心理的効果が漸次美はしく権威ある恋愛生活を創造するに与(あず)かつて力あるといふ点である...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...里人は私のなまぐさ坊主たる事を看破致し...
太宰治 「新釈諸国噺」
...主たる真相ははっきりした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...東道の主たる巌木君など柄になく心臓を弱らし...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...その時地面と居宅の持主たるべき資格をまた奇麗(きれい)に失ってしまった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...今日の主たる目的は殺される人間というものは直前どんな人相をしているものかそれを見届けるためであった...
久生十蘭 「黒い手帳」
...または予防的妨げの一部――たしかにこれは予防的妨げの主たる部分である――と呼んでいるのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...この地方でネダドと呼ばれている猛烈な熱病は致命的な疾病の中で主たるものであり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...奢侈をもって商工業の主たる助長剤と考え従って有力な繁栄の手段と考える近代人はこれを衰亡の一因とは考えたがらないが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...五十年前までは是がこの地方住民の主たる食糧であつた...
柳田國男 「食料名彙」
...これもわたしは飲水(のみみず)が主たる原因であったと思っている...
柳田国男 「母の手毬歌」
...国主たる彼自身は...
吉川英治 「三国志」
...(註一)四磅(ポンド)八シリング一〇・三分の二ペンスで一八クヲタア(註二)四磅(ポンド)八シリング一〇・三分の二ペンスで九クヲタア十分一税に対する主たる反対論は...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...越後(えちご)及(およ)ひ岩代(いわしろ)と上野(かうずけ)の国境を定(さだ)むるを主たる目的(もくてき)となせども...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
...また「山口の正統の領主たるチロヒロ」との連絡のことを相談せしめている...
和辻哲郎 「鎖国」
...かく見れば前者の表現法は柳をば玉を貫ぬいた糸と見立てるところに主たる関心を持つものであり...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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