...鶏が丸のまま一羽見えなくなっちまったんです」「鶏って?」黒衣婦人が不審そうにたずねる...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...丸のままを一羽求めて来さして...
豊島与志雄 「太宰治との一日」
...空のビール瓶で、それも瓶がわれて、割れ目で切れるとかなんとかなら、まだ分っていますが、丸のままの瓶で、頭蓋骨を叩き割るというのは、いくら腕が冴えていたって、一寸考えつかないことですよ...
豊島与志雄 「変な男」
...おっ母はいつも丸のまま切ってくれるんだ...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...見つけしだい砂も払わずに丸のまま噛じり...
久生十蘭 「ノア」
...丸のままで千五百ポンドはあるな...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...土間には真黒な縞の入つた西瓜も丸のまま三つ許り転がされてゐる...
正岡容 「巣鴨菊」
...もしそばの丸のままの実があるものなら一度はやってみたいと思って居ります...
宮本百合子 「十八番料理集」
...三百目位な雄鶏(おんどり)を丸のまま入れて塩をホンの少し加えて一時間ばかり湯煮(ゆで)る...
村井弦斎 「食道楽」
...毎度お話に出るマイナイソースを少し固く拵えてパンへ塗って生の赤茄子へ沸湯(にえゆ)をかけて丸のまま皮を剥(む)いて薄く切ってパンの間へ挟んで小さく切ります...
村井弦斎 「食道楽」
...棒を抜いて輪切にしますとちょいとお惣菜(そうざい)には結構ですよ」○ソーダ松魚の料理は本文の外に丸のまま臓腑を抜去り白焼になし生姜醤油にて食してもよし...
村井弦斎 「食道楽」
...○鰺の姿鮓は小鰺を丸のまま中骨を抜き一塩になし半日ほど置きて一旦酢にて洗いたる後甘酢へ漬おき別に炊たての飯へ酢と塩と砂糖とを適宜に混ぜ堅く握りて前の鰺の腹へ入れ二...
村井弦斎 「食道楽」
...煮方は鰯を丸のまま頭と臓腑とを取去り...
村井弦斎 「食道楽」
...湯煮る時間は大小次第ですが一羽丸のままならば二時間位...
村井弦斎 「食道楽」
...第三十四 鯛の汁(しる)掛(か)け飯も大層(たいそう)結構なものですがそれは先ず鯛を丸のまま白焼(しらやき)にして肉と骨とを別々にします...
村井弦斎 「食道楽」
...土鰌(どじょう)を丸のまま串焼きにし...
山本周五郎 「七日七夜」
...そこで私共の放蕩(あくたれ)仲間が三四人申合わせてそのナメラを丸のままブツ切りにして味噌汁に打込んで一杯飲(や)る事にしましたが...
夢野久作 「近世快人伝」
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