...これから支度をするのにそう手早くできてたまることかなと婆やは思いながらもせわしない気分になって丸っこい体を転がるように急がせた...
有島武郎 「星座」
...ある時ぽつぽつした彼女一流の丸っこい字で...
徳田秋声 「縮図」
...一面に産毛が密生してるような白い丸っこい顔...
豊島与志雄 「自由人」
...」丸っこい眼を宙に見据えてる彼女の様子こそ...
豊島与志雄 「庶民生活」
...お糸さんという豊かに丸っこい娘さんの琴の音がよく聞えていたが...
長谷川時雨 「源泉小学校」
...その丸っこい体型が油断のならない鋭敏さを語っている男爵が言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...六月の上旬になって、頭の丸っこい、柔和な眼つきをした花嫁たちの大群が沖を黝(くろず)ましてやってくる...
久生十蘭 「海豹島」
...それでも何の気なしに中に入るとうす暗い中に婆さんと向いあって思い掛けず娘が丸っこい指先で何かして居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...私のこの丸っこい体...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...昨日丸っこい小さい小包が着きました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...地上には丸っこい頭だけが出ているが...
武者金吉 「地震なまず」
...血糸の綾(あや)がすけてみえる丸っこい鼻の頭には...
矢田津世子 「女心拾遺」
...世界の丸っこい道理がズンズンとわかって来るように思いましてね……まったく……ヘエ……...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...丸っこい眼と笑靨(えくぼ)を持った年少の可憐(かれん)なる武者と...
吉川英治 「黒田如水」
...丸っこい背中を左右にすこし振りはじめた...
吉川英治 「新書太閤記」
...丸っこい顔に、どこか子供っぽい眼をしていて、それで毛が強(こわ)いので、髯(ひげ)を剃(そ)った後は、よく顎(あご)に血をふき出している...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...棗(なつめ)みたいな丸っこい眼に...
吉川英治 「野槌の百」
...膝の上に何やら丸っこい毛だらけな物を抱いている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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