...これから支度をするのにそう手早くできてたまることかなと婆やは思いながらもせわしない気分になって丸っこい体を転がるように急がせた...
有島武郎 「星座」
...学生さん」渡瀬は十三四らしいその小僧の丸っこい坊主頭を撫でまわした...
有島武郎 「星座」
...なめらかな丸っこい白い石の帯で敷石のようになっていた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...丸っこい男で、このうえもなく純真な奴(やつ)だ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...肥った丸っこい体で...
豊島与志雄 「ヘヤーピン一本」
...その丸っこい体型が油断のならない鋭敏さを語っている男爵が言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...薄穢く丸っこいところから...
宮本百合子 「明るい海浜」
...それでも何の気なしに中に入るとうす暗い中に婆さんと向いあって思い掛けず娘が丸っこい指先で何かして居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...私のこの丸っこい体...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...すこし上等の料理には茶色の丸っこい松露のようなマッシュルームをつかい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かれは緋鯉の丸っこい胴体が捩(ね)じられて...
室生犀星 「幻影の都市」
...丸っこい眼と笑靨(えくぼ)を持った年少の可憐(かれん)なる武者と...
吉川英治 「黒田如水」
...丸っこい顔に、どこか子供っぽい眼をしていて、それで毛が強(こわ)いので、髯(ひげ)を剃(そ)った後は、よく顎(あご)に血をふき出している...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...『おやっ?』勘平の丸っこい眼が...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...その丸っこい眼が...
吉川英治 「松のや露八」
...腰きりの野良着に、泥まみれな脚絆(きゃはん)を穿(は)き、一本の野差刀(のざし)を腰にぶちこんでいるが、丸っこい顔に、そそけ立つ髪の毛を、眼尻あがりに藁でつかね、背は五尺五寸に足るまいが、胸の肉づきといい、足腰のよく地にすわっている動きといい、一見、(こいつ曲者(くせもの))と感じないでいられないものを武蔵は先に見ていたのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...丸っこい顔に、大きな眼をもった在郷(ざいごう)の若者である...
吉川英治 「宮本武蔵」
...背なかだけを見せた丸っこい死骸とを...
吉川英治 「無宿人国記」
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