...鉄骨造の建物の中には、中空階段が設けられているものもあります...
...中空(なかぞら)の羽音(はおと)よりほかはなかった...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...中空(ちゅうくう)の三日月...
芥川龍之介 「少年」
...向島の花盛を幻燈で中空へ顕わしたようで...
泉鏡花 「婦系図」
...道中空前の大雜誌が出ることなどは思ひ出すものもなかつたのである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...中空(なかぞら)の雲一ぱいに白い光が掠(かす)めゆく……ああ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...地上や中空にかなり強い風が吹いていて...
梅崎春生 「狂い凧」
...らちも無い空頼みしていそいで雨戸をあけると寒月皎々(こうこう)と中空に懸(かか)り...
太宰治 「新釈諸国噺」
...そして葉の落ちた無花果(いちじく)の木がその奇怪にこみ入つた枝をまだ明みの多少残つてゐる中空に張つてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...上弦の月が中空にかかっているのを後ろにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あっ!」その十手が高く中空を舞って飛び上るのを見ると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...鳶は羽ばたきもせず中空から石の如くに落ちて來るではないか...
中島敦 「名人傳」
...中空に入れ代る淡藍色の大気の中に...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...丸ノ内の中空に宏々(ひろびろ)と展(の)べられて居たのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...『源氏物語』の中の花散る里――柳亭種彦(りゅうていたねひこ)の『田舎源氏』では中空(なかぞら)のような...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...大阪の煙霞及ばず中空に金剛山の浮かぶ初夏六甲山上から大阪の空を眺めた景色...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...三を挙げんにおもしろく雲雀(ひばり)さひづる中空に月影見えて日は暮れにけり言葉つづきは安らかになりたれど善き歌ともならず...
正岡子規 「人々に答ふ」
...童児があの中空の声を聴いて...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...折からヴェルダンの中空に辷り昇った強力な照明弾が...
夢野久作 「戦場」
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