...鉄骨造の建物の中には、中空階段が設けられているものもあります...
...何時(いつ)か又中空へ遠のいて行つた...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...中空にはむらむらと何にか候らむ...
泉鏡花 「凱旋祭」
...道中空前の大雜誌が出ることなどは思ひ出すものもなかつたのである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...中空(なかぞら)の温(ぬく)もりに...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...あのしんとした中空(なかぞら)を夏(なつ)八月(はちぐわつ)の良夜(あたらよ)に乘つきつて...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...中空(なかぞら)の雲一ぱいに白い光が掠(かす)めゆく……ああ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...署長は途中空家へ立寄って...
江戸川乱歩 「殺人迷路」
...中空高く水を噴き...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...中空高い落葉樹の小枝が震えました...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...中空(ちゅうくう)には大なる暈(かさ)戴(いただ)きし黄(きいろ)き月を仰ぎ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...とにかく、二人は山科谷に彷徨(ほうこう)して、京へ直入の足は甚(はなは)だ怪しくなっているのですが、その間にも、例の、宮さん宮さんお馬の前のピカピカ光るは何じゃいなあれは朝敵征伐せよとの錦の御旗じゃないかいなトコトンヤレトンヤレナの軍歌は、いよいよ明亮(めいりょう)を極めて、絶えず、前から襲って来たものですから、米友もつい、そのリズムに捲き込まれて、いい気になってしまい、歩調までが勇み足になった上に、トコトンヤレトンヤレナと伴奏しはじめたかと見ると、興に乗じたか、提灯を地面に置いて、自分は道のまんなかに踏みはだかり、手にした例の振杖ではない杖槍を取って、中空に投げ上げ、それが落ちかかるやつを手早く取って受けては、またクルリと中空へ投げ上げる、右へ泳ぐのを左で受けたり、左へ流れるのを右で受けたりして、合(あい)の口拍子には、トコトンヤレトンヤレナとはしゃいでいる...
中里介山 「大菩薩峠」
...鳶は羽ばたきもせず中空から石の如くに落ちて來るではないか...
中島敦 「名人傳」
...丸ノ内の中空に宏々(ひろびろ)と展(の)べられて居たのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...夏中空家であつた隣家の庭に...
林芙美子 「柿の実」
...薄く曇つた中空に...
原民喜 「永遠のみどり」
...頭は中空円錐形で高さ二・三メートル...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...中空に小さな虻をふき...
牧野信一 「雪景色」
...山を離れて廣く中空に浮び出で...
吉江喬松 「霧の旅」
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