...其村中差送候においては路次有様に可二申上一候...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...がんりきの百蔵は道中差をつき差すと共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...道中差は一本用意している...
中里介山 「大菩薩峠」
...旅の用意の道中差...
中里介山 「大菩薩峠」
...枕許に置いた道中差――これは少々大人げないと思ったところ...
中里介山 「大菩薩峠」
...特に艶(つや)を消して道中差にこしらえたもの...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうすると、その朋輩らしい同じ年頃の若い男が、面(かお)の色を変えて転がりこんで来て、「とうとう、鬼に出られて、馬さ喰われちゃったでなっし、客人のこと、どうなったかわからねえが、夢中になって逃げて来たぞう」「そいつは、菊どん、いがねえ、この夜中に、馬なんぞ出しなさるがいがねえ」「でも、仙台領からの頼みで、どうでも馬さ一匹頼んで飛ばさにゃならねえというお客様がござってなっし」「そいつぁ、どうも」「で、鬼さ出るちうて断わり申しただが、鬼さ出ようと、蛇(じゃ)さ出ようと、大切の罪人を仙台領から追いこんだのだなっし、仙台様と南部様の御威勢で、鬼が怖(こわ)いということあるかと、お客人の鼻息がめっぽう荒いもんでなっし」「そうかや、そいつぁ、どうもならねえなっし」「夜中に、馬さ出すと、案(あん)の定(じょう)、大っ原で鬼が出やんした――わっしゃ命からがら逃げて来やしたが、お客人のこたあ、どうなったかわからねえなっし」「それじゃ、どうなったかわからねえで済ましちゃいられねえぞ、客人さ怪我あらせちゃあ申しわけがあるめえなっし」「そのお客人さ、道中差を抜いて、鬼さきってやしたがね――なかなかお客人も強い人でがんした」「なんしろ、こうしちゃいられねえ、人を集めて、お迎(むけ)えに行ってみざあなっし」「そうだ、そうだ」「おいおい、みんな起きてくんな、鬼さ出たぞよ、鬼が出て、菊どんの馬さ食うたぞ」中にいた若衆が、こう言って奥の方をのぞき込むと、どやどやと四五人の同じような若いのが飛び出して来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...特に天下の老中差廻しで...
中里介山 「大菩薩峠」
...後から迫る道中差が三本...
野村胡堂 「江戸の火術」
...唐変木!(道中差しを抜いている)くたばれ! お嬢さん...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...九兵衛は道中差(どうちゅうざし)の柄(つか)がしらを彼の鼻づらへこすりつけながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...やい、自雷也」どこに置いてあったか、道中差を、抜くよりはやく、ふりかぶって、「命はもらった!」ばっと、風を割って落した...
吉川英治 「治郎吉格子」
...二尺四寸の道中差(どうちゅうざし)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「ア痛(いた)ッ」ガラリと道中差(どうちゅうざし)をとり落としたが...
吉川英治 「神州天馬侠」
...道中差を抜き合って...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...親分の危急! と一心に掴(つか)み寄せた道中差(どうちゅうざし)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...道中差を落している...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――職人衆、仕事のお手を止めて、恐れ入ります」仕切帳でも包んであるのか、小風呂敷を腰から前へ結んで、矢立に、道中差、千種(ちぐさ)の股引(ももひき)を見せて、尻端折(しりはしょり)をしている、若い商人(あきんど)ていの旅人だった...
吉川英治 「無宿人国記」
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