...私の今ゐる室(へや)は一番奥の中二階みたいな室です...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...夫人のがみがみ声が中二階でしていた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...池の向こうの中二階はこの芸者の化粧部屋(けしょうべや)にも休憩所にもまた寝室にもなっていた...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...離れの中二階(ちゅうにかい)で……」仲居の一人が第二の大変をその場へ知らせて来たのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...父も母も中二階で夕食をともにしていた時に...
蜷川新 「私の歩んだ道」
...專三郎の殺された部屋といふのは中二階の六疊で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜中二階へ忍んで行つた者があつたとすれば...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...巴屋でも中二階の行燈(あんどん)部屋の片隅に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...中二階のやうな部屋では隱居らしいひとが襖の切り張りなぞをしてゐました...
林芙美子 「大島行」
...その騒ぎの最中二階では浮腰になって居る清川をまあまあと云って山田の主人が独りで機嫌よく酔って居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...急に立ち直りをみせた足元は一擧に中二階の石段の上まで驅け登つて行き...
室生犀星 「はるあはれ」
...おしえられた中二階の梯子(はしご)を...
吉川英治 「神州天馬侠」
...中二階の天井(てんじょう)には...
吉川英治 「神州天馬侠」
...車が出てからその健さんが声をひそめ、「いや、あの屋造りも、いいですがね、暗い中二階に、美人がいましたよ、悪いから、上へはあがらずに、のぞいただけですがね...
吉川英治 「随筆 新平家」
...家の中二階に遊んでいらっしゃいませ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...当分は空(あ)いている中二階へ世話をしておいて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お吉も、女でこそあれ、目明しの女房、よっぽど、かれらのするままに任せまいとは思ったが、中二階には、やはり阿波の家中に事情をもつお米を匿(かく)まっているし、留守を預かる大事な女の本分をも顧みて、ジッとその狼藉(ろうぜき)にこらえていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ここの中二階の障子の外から...
吉川英治 「宮本武蔵」
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