...僕は上品中の下品に屬する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...木賃は三十銭 (等級は中の下)...
種田山頭火 「行乞記」
...其槍はイヒートスの子*スケヂオス―― 305プォーケース族――其中の武勇最も優るもの――パノピュウスの名勝地占めて衆民統ぶる者――彼の鎖骨のたゞ中の下を貫き...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ウーンと、睡り足りた後の快い伸びをすると、手足の下、背中の下で、砂が――真白な花珊瑚(さんご)の屑がサラサラと軽く崩れる...
中島敦 「環礁」
...鈍物として歯牙(しが)にもかけなかったその連中の下命を拝さねばならぬことが...
中島敦 「山月記」
...鈍物として齒牙にもかけなかつた其の連中の下命を拜さねばならぬことが...
中島敦 「山月記」
...お前は深川中の下つ引を集めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その二人がただ腕を彼の円味をおびた背中の下にさし入れ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...手を病人の背中の下に差し入れようとしていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...こいつの背中の下に配布触れの一両小判が一枚おちていたんです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...父の身分はヤット藩主に定式(じょうしき)の謁見が出来ると云(い)うのですから足軽(あしがる)よりは数等宜(よろ)しいけれども士族中の下級...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...又或(あ)る時江戸市中の下肥(しもごえ)を一手に任せてその利益を政府に占(し)めようではないかと云う説が起(おこっ)た...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...五雄蕊(ゆうずい)中の下の二雄蕊(ゆうずい)から突き出たもので...
牧野富太郎 「植物知識」
...よし言いおおせたりとてこの種の美は美の中の下等なるものと存(ぞんじ)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...中の下くらいの家柄であって...
山本周五郎 「竹柏記」
...女中の下駄を穿(は)いて裏口へ出てあとをピッタリと締めた...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...ただ自分の中の下らない性格だけでそれが勝手に苦しい理由を作り出してそして絶えず勝手に苦しみ續けてゐたのではなかつたか...
横光利一 「悲しみの代價」
...背中の下で、啄木(きつつき)の啄(ついば)むような小さい物音を知り、「さては、頼春か」すぐ起きて、廊の欄へ、顔を見せた...
吉川英治 「私本太平記」
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