...弟は餘りに溺愛された爲めに意久地なしの世間見ずに育つたし...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ただあまりに世間見ずのわがままなおぼっちゃんの象であった...
寺田寅彦 「解かれた象」
...世間見ずの銀子もお神がそれとなく暗示する通り...
徳田秋声 「縮図」
...世間見ずらしい無知の一つに数えることが出来るであろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...云うまでもなく文学者達の世界観の一種の世間見ずと独よがりとから発生する(そして科学者は之に対して消極的な相槌を打つ)...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...僕のような世間見ずは...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...世間見ずな思い上りだと思った...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...学者は世間見ずのものであるが...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...世間見ずの廿三の娘が...
久生十蘭 「春雪」
...斯樣な世間見ず空威張りと云ふことになつたのであらうと思はれるけれども...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
...素(もと)より世間見ずの小天地に棲息(せいそく)しては...
福田英子 「妾の半生涯」
...前觸れもなしに母親なぞを引張つて來た息子の世間見ずの我儘なぼんぼん面(づら)も面憎かつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...あの年になつても人様に御あいそする事も何も知らぬ世間見ずの一こくでなあ...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...故郷を遠ざかった世間見ずの若い連中が...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...世間見ずの令息令嬢が引っかかるのも無理はない...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...そんな世間見ずではいけない...
吉川英治 「私本太平記」
...『世間見ずが、世間へ出て、しかも、大枚の金策をして来ようなどとは、愚(おろか)も甚(はなはだ)しい...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...まるで世間見ずな弟たちばかりだからなあ」舟の上から振向くと...
吉川英治 「平の将門」
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