...詩人芭蕉は又一面には「世渡り」にも長じてゐた...
芥川龍之介 「続芭蕉雑記」
...僕が棹(さお)を取り妻が舵(かじ)を取るという小さな舟で世渡りをするのだ...
伊藤左千夫 「去年」
...これが抑々(そもそも)当世流の処世法でその方が世渡りには都合がいい...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...資産家が自己本位の世渡りのために...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...僕はいま世渡りといふことについて考へてゐる...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...一と口に云えば世渡りの下手な人だったからであろうか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかしそういう風な世渡りを潔(いさぎよ)しとしないものは宜(よろ)しく自ら譲って退(しりぞ)くより外(ほか)はない...
永井荷風 「日和下駄」
...明日から世渡りに差支えまする...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは東妙和尚から授けられて、これによって、行くさきざきで、与八独特の彫刻を試みて、それで世渡り、旅稼ぎをしようとの用心にほかありません――行き行きて、その翌日、大菩薩峠の麓まで来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうしてずうずうしいのも世渡りの上じゃ一徳(いっとく)だぐらいに考えているんです」「まさか」「いえ...
夏目漱石 「明暗」
...あるいはなんの思想をも抱(いだ)かずに世渡りをする者に対しては...
新渡戸稲造 「自警録」
...普通にいう世渡りの上手だというのは...
新渡戸稲造 「自警録」
...商売とは、昔者(むかしもの)の言葉でいえば、世渡りの綱で、心にもない事も言って生活の代(しろ)を得る――というふうに、そうした言葉で、その折にもそうした意味に用いられました...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...気の優しい方なればこんなむづかしい世にどのやうの世渡りをしてお出(いで)ならうか...
樋口一葉 「十三夜」
...上流社会を世渡りする連中は秘密外交の場面に雇われる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...十 収容中どんな心掛けで暮す積りか普通ニ暮ス積リデ居ル十一 今後どうして世渡りをする積りか糧道ハ出来得ル限リペンニ依ッテ得テ行ク積リデ居ル...
槇村浩 「入所時感想録」
...「世渡り」といっても巧言令色...
正岡容 「寄席」
...お石の世渡りは万事この調子なのであった...
「小祝の一家」
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