...俊助の世慣れない態度とは打って変った...
芥川龍之介 「路上」
...ごく初心(うぶ)な世慣れない青年だったけれども...
有島武郎 「或る女」
...先づ誰が見ても世慣れた記者の筆だ...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...この世慣れた探偵はもうそれ以上...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...三人の子の母親になつてゐる彼女は、昔のやうではなく、世慣れた様子で、線香の消え尽きたのにもよく気がついた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...しつけのいい純真な世慣れない女性の清らかさが息吹(いぶ)いていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...むろんそんなことはありませんわ」急に愛想のいい世慣れたほほえみを浮かべながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...頓馬(とんま)な世慣れないドイツ人だと判断した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どんな間違いが起こるかも知れないからな」粉屋は世慣れていました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...世慣れない若輩のいひたがる不得要領の警句として...
夏目漱石 「それから」
...あの繁代――少し生真面目(きまじめ)で打ち解け難く見えた五年前の繁代が、あんなに物柔かに、世慣れて、艶(なま)めかしく、仇(あだ)っぽくさえなったことは、何んと言う口惜(くや)しい、が、頼もしい変化だったでしょう...
野村胡堂 「江戸の火術」
...やがて世慣れた調子で話しかけた...
萩原朔太郎 「夏帽子」
...彼がそれまで如才のない世慣れた人たちだと思って交際していた同僚たちから...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...すなわち「世慣れたしっかり者」といった方も...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...振る舞いはあたかも世慣れしているかのようで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...世慣れた女であっても...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...世慣れた心持ちが出て来て...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...世慣れた人のようによけいなお世辞などは一つも言わなかったが...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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