...恰(あたか)も細且(かつ)強靭なる時計の弾機(ぜんまい)に触れしが如し...
芥川龍之介 「上海游記」
...苟且(かりそめ)にも憶測を以(もっ)て知識にかえたり...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...私が愛し且つ信頼している老案内勝野玉作と私との三人きりであった...
石川欣一 「可愛い山」
...黒丸は旅人が「食い且つ眠り得る」場所を示している...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...且つ奇異に感じられたのは...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...且つ面白い楽しみになつた実験の間ぢう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...且ツ破壊セムトス……強者即チ男姓ニ依ツテ作ラレタル過去現在ヲ………汝等ノ言ハ常ニ婦人ノ権利ヲ要求シテ...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一三年六月号)」
...ペテルブルグに行(い)つてからもドクトルは猶且(やはり)同樣(どうやう)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...さながら詩聖たちと共に且つ醉ひ且つ哭く氣持だと...
太宰治 「このごろ」
...且つ伊藤公爵も、大隈伯爵も、其の私生涯と公生涯とを問はず、均しく之れを公処の白堊光裡に展開して彼等の自由批評に任ずと雖も、山県公爵に至ては、公私の生涯に截然たる分界あるが故に、其の私生涯は醇粋なる私生涯にして殆ど公衆と何の交渉する所なし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それは山陽の天草洋や文天祥の正気歌などで、就中尤もよく吟じたのは李白の『両人対酌山花開、一杯一杯復一杯、我酔欲眠卿且去、明朝有意抱琴来...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...且つ此際(このさい)甚だ必要ぢやないか」と云つた...
夏目漱石 「それから」
...猶且(なほかつ)其誠実を残りなく認むる能(あた)はざるを悲しむものである...
夏目漱石 「艇長の遺書と中佐の詩」
...且つ藝術美の香氣が高い文章を...
萩原朔太郎 「宿命」
...精力絶倫且つ非常に討論に長じた人であった...
穂積陳重 「法窓夜話」
...山陽の最後の語は「且勿喧...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...他人に損をさせながら生れ且つ育っているのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...突然咯血して病床に横はつたまでの足掛け三ヶ年間に渉る自分のまづしい收穫で且つ蘇生した人間の靈魂のさけびである...
山村暮鳥 「風は草木にささやいた」
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