...且知ることを得ぬ問題である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...車夫は狂人のように走り且つ叫んだ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...夢幻の遷転影裡(せんてんえいり)猶且(なほか)つ煢然(けいぜん)たる永久の覚醒(かくせい)あり...
石川啄木 「閑天地」
...机に向った横坐りに、やや乱れたか衣紋(えもん)を気にして、手でちょいちょいと掻合わせるのが、何やら薄寒(うすらさむ)そうで風采(とりなり)も沈んだのに、唇が真黒(まっくろ)だったは、杜若(かきつばた)を描(か)く墨の、紫の雫(しずく)を含んだのであろう、艶(えん)に媚(なま)めかしく、且つ寂しく、翌日(あす)の朝は結う筈の後れ毛さえ、眉を掠(かす)めてはらはらと、白き牡丹の花片に心の影のたたずまえる...
泉鏡花 「婦系図」
...且又其価は年々騰貴するから...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...何事にも精神的で個人的で且つ謂わゆる温健な...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...一人として王を恐れ且つ憎まぬ者はないやうになつた...
太宰治 「地図」
...三人楽しく飲み且つ語る...
種田山頭火 「其中日記」
...なお且つ歴史的記述をなし得るかのように考えた点に横たわっていたのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...国際競争を本位とするの政治は、各種の専門智識と専門技術とを以て組織せられ、且つ運用せらる...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...且つ伯が政治を生命と為し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自分がこの世に生れ出た理由が甚後暗(うしろぐら)く且つ不名誉なものになるからである...
永井荷風 「来訪者」
...周圍(あたり)は凡(すべ)てが只(たゞ)騷(さわ)がしく且(か)つ混雜(こんざつ)した...
長塚節 「土」
...積極的且つ具体的な考えをもっているから...
久生十蘭 「だいこん」
...我々は凡て我々の前にあつた人々から並(ならび)に我々と共にある人々から受け且つ学ばねばならぬ...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...且促予遊崎」と云つてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...且藤陰と関五郎とが果して同一人ならば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...法医学で扱う屍体には其機会が多く且体積が鼠より大きいだけに臭も甚しい...
森於菟 「屍体異変」
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