...最も不都合な事は男子の貞操をとがめずに婦人のみをとがめる事である...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...そんな不都合な事を仕出かして私を利用しようとするその心を憎みこそすれ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...で、出来ることなら質屋の通帳を、四通でも、五通でも、ありつたけ取り出して用立てしたくは思ひましたが、不都合な事には、その持合せがなかつたので、私はひどく恐縮してあやまるやうに、「手元に持合せてゐましたら、喜んで御用立てするのですが、あいにく一通も……」「お持ちになりませんか...
薄田泣菫 「質屋の通帳」
...一人は徳川の四天王、一人は江戸の国学者、一人は幕末の剣術使ひで、新村氏とはみんな深い昵懇(なじみ)であつたが、不都合な事には、誰一人年賀状を寄(よこ)してゐなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...「二人は何か不都合な事を企てゝゐるのだ...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...そういう遣り方が写真として不都合であっても絵画としてはそれほど不都合な事ではないという事が初めから明らかに理解されている証拠である...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...それについて何か書き並べるという事がそれほど不都合な事でもないと思った...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...はじめて雑草の不都合な事が少しわかって来るような気がした...
寺田寅彦 「路傍の草」
...一つの不都合な事実が理論の邪魔になる時には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不都合な事を立ちふるまうようになるでしょう...
夏目漱石 「創作家の態度」
...もし不都合な事があれば...
夏目漱石 「明暗」
...不都合な事が起るとかいう時は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不都合な事が起るとかいふ時は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女に生まれたことが全く不都合な事だった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...果してそれが上の二首の万葉歌とピッタリ合ってあえて不都合な事は無いかというと...
牧野富太郎 「植物記」
...こんな人達は余り自信の無い時代後れの輩であるといっても敢て不都合な事はあるまい...
牧野富太郎 「植物記」
...その間何んの問題も起らなく桜はサクラで済し込んでいてもあえて不都合な事は無かったが...
牧野富太郎 「植物記」
...自分がお関の実の子だと云う事の出来ないのは何となし不都合な事の様では有ったけれ共...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
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